学生ガイドの案内で北野天満宮を巡る「深緑のガイドツアー @北野天満宮」が6月18日、京都歴史回廊協議会主催で行われた。北野天満宮(京都市上京区)で研修を受けた本学学生が北野天満宮の歴史などを紹介しながら境内を巡り、本学の1回生から4回生で募集された参加者は正式参拝や宝物殿拝観、青もみじ苑の散策などを行った。
この取り組みは、京都市北西地域の歴史・文化の伝承を目的とする「京都歴史回廊協議会」が行っており、北野天満宮と仁和寺(京都市右京区)の協力のもと、歴史・文化を学生ガイドが案内することを目指す「次世代の文化支援プロジェクト」の一環として開催した。同協議会事務局長の三ツ野直樹さんは「若い方々に京都市北西部、とりわけ衣笠近辺の文化の魅力を知ってほしい」と話す。
18日のツアーでは本学の1回生から4回生を対象に募集され、21人が参加した。2人の学生ガイドが北野天満宮の歴史や祭神である菅原道真公を紹介しながら境内を案内した後、参加者は本殿に昇殿して正式参拝に臨み、神職による健康祈とうが行われた。参加者を代表して玉串を捧げた吉村美夢さん(文4)は「貴重な経験で、身も心も引き締まる思いだった」と振り返った。祈とう後には同宮の禰宜(ねぎ)である東川楠彦さんが、参加者に対し「今ではインターネットで多くの情報が得られるが、空気に触れて、見て、感じることで、神様のことや伝統のこと、文化のことを学んでほしい」と話した。
続いて参加者は同宮の宝物殿を拝観し、太刀「鬼切丸(髭切)」など数多くの文化財を鑑賞した。北野天満宮と刀とのつながりなど歴史的背景についての東川さんの解説に耳を傾けながら、参加者が展示された刀を熱心にスマートフォンで撮影する様子が見られた。東川さんは「歴史的背景を学び文化財に親しんでほしい。ぜひ寺社に足を運んでいただき、信仰を感じながら文化財を見ていただきたい」としたうえで、刀の写真撮影を許可していることについて「若い人にSNS(交流サイト)で広げてほしい」と期待を語った。
宝物殿の拝観後、学生ガイドにより境内が案内され、参加者は青もみじ苑を散策した。ツアーに参加した森戸明日香さん(文4)は「学生ガイドの案内で、普通なら素通りしそうなところを知れた。大学生になって知識を得てから改めて行くと気づきがある」と話した。
ツアーを終え、学生ガイドを務めた本郷美結さん(文3)は「うまくいったところも改善点もあった」と振り返りつつ「その場で『勉強になった』と声を掛けてもらうとうれしかった」と話した。また、同じくガイドを務めた深沢萌恵さん(文3)は「本学学生にとどまらず、企画の幅を広げてさまざまな人に歴史・文化を伝えていきたい」と意気込む。
今回ツアーを主催した京都歴史回廊協議会は今後、京都市北西部地域の活性化のための事業を推進しつつ、事業への本学学生の積極的な参画を維持、発展していくという。同協議会副会長の清水則雄さんは、留学先で日本のことを教えられなかった学生のことを聞いたとし「ガイドと参加者双方が京都の歴史・文化の学びを通じて日本について学び、留学先でも日本のことを誇れるようになってもらいたい」と語った。
(小林)