立命館大学教職支援センターは、教職を志す学生や卒業生を対象に、それぞれの希望を実現するための支援を行う教育施設である。衣笠キャンパスは至徳館1階、びわこ・くさつキャンパス(BKC)はアクロスウイング1階、大阪いばらきキャンパス(OIC)はA棟1階AN事務室内に存在している。現在はコロナ禍で活動が一部制限されているものの、そのような状況下でも、通常時と変わらない様々な支援や対策を講じている。
通常時の利用者は一日あたり20~30人程度。教職支援担当嘱託講師は、衣笠キャンパスが5人、BKCは4人、OIC衣笠キャンパスの講師が交代制で勤務している。センター内には各校種別・各自治体別の情報や資料が収集されており、採用試験の過去問や参考書など、どれも最新のものが置かれている。時期に応じて各種ガイダンスや採用試験対策講座、さらには各都道府県・政令市の教育委員会担当者による学内説明会や採用試験の模試も行っている。また、年間を通して教職や採用試験に関する相談・対応であったり、対策講座とは別に、二次試験対策として面接や模擬授業などの指導を継続的に行ったりしている。
衣笠キャンパス教職支援センターの嘱託講師で、同センターの主任である松本賢一先生は「教職支援センターの存在を知らない学生が多いのではないか。教職課程を取っている学生なら、ぜひ一度足を運んでほしい。センターにいる講師たちから名前を覚えられたら、採用試験は受かると言われています。そのくらい講師も設備もそろっています。今はコロナで大学に入れないけれど、入構できるようになったらとにかく来てほしい」と気さくに笑いながら話してくれた。
コロナ禍の状況においては、衣笠キャンパスとBKCでは、教員採用試験受験予定の4回生を対象に、今年5月からはSkypeやZoomを用いて個人面接、集団面接、集団討論の講座を実施したり、採用試験の出願願書の添削をメールで行ったりするなど様々な対応をとった。
また、両キャンパスは緊急事態宣言が解除されたことを受け、センター内の図書を予約制で一時閲覧できる制度を設けた。そして、6月10日から1クラス最大5名までの利用で2~3クラス行うという条件の下で、対面形式の各種面接・討論を行うことが可能となった。6月25日から8月の初旬にかけては、2次試験対策として模擬授業と面接に重点を置いた対面形式の対策が行われる予定だ。
なお、入構の際には、各自で検温を行うことや、マスク着用の義務、アルコール消毒の実施など、感染症の拡大防止を徹底している。
松本先生は「本学の教職支援センターは他大学よりも準備や対策が行き届いている」と自負する。教職課程を履修している1、2回生に対しては「採用試験までは余裕がある。その間に教職支援センターに来て、教職についての様々な情報収集をしてほしい」と語った。本学の教職課程では主に中学校・高等学校の免許状が取得できるが、希望によっては佛教大学通信教育課程の連携で、小学校の免許状も取得できるプログラムが存在する。受講に際しては、1回生次に所定の単位を取得しつつ、審査に合格することが必須とのこと。「コロナ禍の影響で8月に予定していた夏期特別講習会もなくなった。ガイダンスを含めて今後の予定を検討中なので、メールマガジンを登録したり教職課程のホームページを常にチェックしたりして新しい情報を受け取ってほしい」とコメント。
また、採用試験1年前を控えた3回生に向けては「とにかく早く準備を。3回生の9月ごろから本格的に採用試験の対策に取り掛かってほしい。1、2か月で身につくような内容ではないので、計画的に対策に当たってほしい」と促した。3回生のみを対象とした対策講座も検討しているとのこと。
そして、採用試験を受ける4回生に対しては「今まで私たちとやってきたことはすべてに意味がある。結果はついてくる。頑張ってほしい」と激励した。
実際に対策講座を利用している光野まり香さん(文4)は「講座は週二回ほど入れていた。自分の都合がいい時間に対策講座を入れることができ、筆記試験の勉強との両立がしやすかった。センターに行くと、面接指導と同時に自分のモチベーションも上げてもらえた。コロナの影響で不安な毎日だったが、オンライン指導や対面指導をしてくださったおかげで気持ちが晴れた。参加して良かった」と語る。
教職を履修している学生に向けては「日本全体が大変な時期で、教職を履修されている皆さんも不安なことだらけかもしれない。何か困ったときこそ先生方に相談してみてほしい。きっと助けてくれると思う。同じ教師を志す者同士頑張りましょう」と意気込んだ。