6月18日、本学はBCPレベル2に応じた授業形態として対面授業も実施することを発表した。さらに発表では個別の事情に応じてWebで受講することができる場合もあるとし、該当学生は授業担当者に申し出てほしいと呼びかけた。
「2021年度、つながりを実感できるキャンパスライフに向けて」では「誰もが、いつでも、どこでも、学び・学び合える環境」を大学側は提供するとした。しかし本発表ではWeb授業を希望するハードルが高いように感じられる。実際に、教員が原則対面の立場を取っている授業やWeb授業を希望する理由を裏付ける書類の提出を求められる授業は存在している。
2020年度の新型コロナウイルス感染症拡大は、新しい授業形態の発見の好機となった。
学内では全教室にWebカメラ・スピーカーを設置するなどの施設整備がなされ、Web授業の環境が整えられた。特に講義型授業において録画された授業の様子を復習として何度も閲覧できたり、どこにいても受講できたりするなどWeb授業のメリットも明らかになった。これは、Webを活用した授業のより良い形を見出すべく大学と教員と学生がこれまで試行錯誤した結果である。
大学側の、対面授業の機会を学生に提供すべきであるという考えにも賛同できる。仲間との相互の学び合いやコミュニティの形成、偶然性のある出会いと会話からの学びなど対面授業にはさまざまな良さがある。
対面授業にもWeb授業にもそれぞれ良さがあることが明らかになり、コロナの収束も見通せない今、学生に授業形態の選択の自由が与えられるべきだ。もちろん自由には責任が伴う。選択肢がもつリスクと利点を踏まえて授業形態の選択を学生自身が行い、学生生活を主体的にマネジメントすることは、コロナ禍で得られる新たな学びの可能性ではないだろうか。