本学衣笠キャンパスの平井嘉一郎記念図書館は4月1日に開館10周年を迎えた。これを記念し、4月1日から5月31日まで同館1階のエントランスホールとギャラリーにて特別展が開催された。

平井嘉一郎さんのことばが上映されていた=5月29日、衣笠キャンパス

広小路にあった旧図書館が衣笠キャンパスへ移転した後、蔵書数の増加などに伴い「過ごしやすい環境を整えるために新しい図書館を作りたい」との機運が高まっていた。そうした中、当時の吉田美喜夫図書館長が平井嘉一郎さんの妻である平井信子さんに図書館一棟の寄付を依頼。平井さんの「若い人たちの力になりたい」という遺志が後押しとなり、寄付が実現し、現在の図書館の開館へとつながった。

今回の特別展は「平井嘉一郎氏が私たちに遺したもの、私たちが未来へ引き継ぐもの」をテーマに開催。同展では平井さんに関する著作や生涯を表した年表のほか、図書館が誕生した由来や平井嘉一郎研究奨励賞の歩みを示す展示などが並び、設立経緯や平井さんの人物像などを知ることができる展示構成となった。

平井嘉一郎さんの生涯や思いが書かれた本=5月29日、衣笠キャンパス

同展の担当者である図書館利用支援課の干場利則さんは「図書館を利用する人の目に見える形で展示を構成したいと思っていた。利用者には図書館開館に携わった関係者への感謝を感じていただく機会となれば」と企画の趣旨について語った。その上で「寄付者の方がどのような思いを持ち、支援していただいたのか、私たちが改めて認識しなければならない」と話した。

干場さんは同館の役割について「蔵書を増やすなど環境整備を通して中核的な役割を担ってきた。学びを深め、人と人とが出会い、新たな知を創造する場だ」と述べる。さらに、学生に向けて「自分に合った学びを主体的に見つけたり、自主的に課題を見つけてクリアしたりする場所としてもこの図書館を使ってほしい」と呼びかけた。

同館では「学生に通常の正課・課外活動では得られない学びや成長をしてほしい」との思いから、さまざまなイベントの開催や企画ボランティアの募集を行っている。また、図書館利用支援課は大学図書館としての発展を目指し、今後はデジタルライブラリーの実現に向けた環境整備やDX(デジタルトランスフォーメーション)の強化に取り組むとしている。

(矢野)