学生のうちに自分の「やりたいこと」を見つけるのは難しい。自信をもって「ある」と言える人もいれば、やりたいことが見つからずに焦っている人も多いだろう。
そんな学生に焦点を当て、活動している人がいる。本学文学部を2003年に卒業した、羽田啓一郎さんだ。株式会社マイナビで大手企業の新卒採用営業に従事し、2020年3月に独立。現在はWebサイト「街角キャリアラボ」を運営している。街角キャリアラボと、私たち学生に対する率直な思いを取材した。(坂口)
ーまず「街角キャリアラボ」がどんなものかを教えてください。
街角キャリアラボは、私が2月末でマイナビを辞めて3月に独立したときに自分で立ち上げたサイトです。「最も気軽な自己投資」をコンセプトに、主に大学1回生から20代の社会人に向けてキャリアに関する情報を発信しています。
ーなぜ街角キャリアラボを立ち上げようと考えたのですか。
私は今まで、前職で「キャリア甲子園」などの学生向けキャリア支援プロジェクトを複数立ち上げ、多くの学生と関わってきました。しかし、大企業でやっている以上、あらゆる企画は規模拡大を優先せざるを得ず、自分が学生に向けてやりたいこととのギャップがずれていくのを感じていました。大人数じゃなくていいから、自分が行き届く範囲の中でしっかり彼らの成長にコミットできるサービスを作りたい。それが、会社を離れて独自のコンテンツを作りたいと思ったきっかけです。
ーどんな人たちに街角キャリアラボを知ってもらいたいですか。
「やりたいこと」が見つからなくて悩んでいる学生に知ってもらいたいです。やりたいことがあればそれに向かって突き進めば良い。ただ、学生の大半は確固たる「やりたいこと」がないまま就活の時期を迎えてしまいます。そうなると、自分自身を「就活」という枠の中に押し込めようとして、本当の自分とかけ離れた「企業につじつま合わせをした自分」をつくってしまうのです。
この問題に正解を見出すことはできません。しかし私は、今の世の中が「就活に向けてはやく自分がやりたいことを見つけろ」という学生への圧力が強すぎると感じています。
だからまずは「やりたいこと」よりも、自分が「できること」を増やすといいと思います。他の人よりも少しだけ得意なことや、自分がやっていて楽しいことを見つけてほしいですね。
ーこれからの展望はありますか。
なにかを「学ぶ」だけでなくそれを実際に「経験する」ことができるような「実践」の機会をもっと届けたいです。また、今は学生に向けたコンテンツが多いので、これからは社会人向けの企画もできたらと思っています。
ー最後に、立命館大学の学生に向けて一言お願いします。
積極的に学外の世界と関わってほしいです。学生は、どうしても周りから「価値観」を受け取り過ぎになりがちです。外の世界に飛び込んで自分なりの価値観を持ち、それを他の人にも発信できるような人になってください。
プロフィール
立命館大学文学部卒業。マイナビで大手企業の新卒採用営業に従事後、学生向けキャリア支援プロジェクト「MY FUTURE CAMPUS (MFC)」「キャリアインカレ」「キャリア甲子園」「課題解決プロジェクト」を0から立ち上げて仕組みを作り、国内最大規模まで成長させる。同志社女子大学の嘱託講師や経済産業省の有識者会議、毎日新聞経済プレミア連載なども経験。
街角キャリアラボ
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