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海神DIGITAL「七夕」

立命館大学新聞のコラム欄「海神(わだつみ)」 記者が日々の思いを綴ります。

〈かささぎの 渡せる橋におく霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける〉これは三十六歌仙の一人、大伴家持が詠んだ、七夕を題材とした和歌である。

七夕は「7月7日」と捉えられがちだが、伝統的な七夕は「旧暦の7月7日」とされており、今年は8月25日がこれにあたる。夏の真っ盛りのように思うが、立秋を過ぎているので季語としては「秋」に分類されるというから面白い。

また「短冊に願い事を書いて笹に飾る」という習慣があるが、実は短冊の色によって叶う願い事が異なる。紫もしくは黒は「学業」、赤は「感謝」、白は「規則・義務」、黄は「人間関係」、そして青は「成長」の願いを叶えてくれる。

家にいて、代わり映えのない日が続く。キャンパスで授業を受けたい、友達と遊びに行きたい、卒業旅行のリベンジがしたい―短冊が何枚あっても足りなさそうだ。

〈七夕の日、織姫と彦星を逢わせるためにかささぎが翼を連ねて渡したという橋―天の川に散らばる、霜のようにさえざえとした星の群れの白さを見ていると、夜も更けたのだなあと感じてしまうよ〉和歌自体は冬に詠まれたものだが、霜を「空に広がる無数の星」にたとえているのがなんともロマンチックである。

みなさんは、七夕の空に何を願っただろうか。織姫と彦星は今年も無事に会えただろうか、でも会うのは8月だからまだ会っていないのか。そんなたわいもないことを考えながらパソコンの前で、今日も夜が更けていく。(坂口)

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