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THEインパクトランキング2021 国内私立大で最高評価

イギリスの高等教育専門誌Times Higher Education(THE)が発表する「THEインパクトランキング2021」において、本学は国内の私立大学で最も高い評価を得た。

このランキングは、大学が研究・社会貢献活動を通じて持続可能な17の開発目標(SDGs)にいかに取り組んでいるかをTHEがランク付けしたもの。3回目となる今年は過去最多の世界1240校がランキングの対象となった。本学が国内の私立大学で最高評価を得たのは去年に続き2年連続。ランキングの結果やSDGsの観点から見た本学での取り組みについて、本学国際連携課の花村大輔さん、山下正克さんとSDGs推進本部の山下範久常務理事 (企画担当)に話を聞いた。

*2021年6月以降、国際連携課は総合企画課に名称を変更し、また、現在は研究の高度化や国際化を担う部署であるRARA(Ritsumeikan Advanced Research Academy)オフィスが世界大学ランキングに関する事務を所管しています(取材は5月12日当時のもの)。

「学生の多種多様な活動が発展一助」国際連携課による結果への所感

結果を受け、花村さんは「本学は今年が2回目のエントリーだった。ランキングの対象大学が1.5倍近くにまで増加し、競争が激しくなるなかでも、国内のトップ大学と肩を並べ、私立大学では最上位というポジションを維持できたことは評価できる」と語った。山下さんは「ランキングの評価対象のひとつである『社会貢献活動』は本学でも意識をしていること。この項目で評価を得たのは素直にうれしいし、これらの活動に携わる学生・教職員の皆さんに感謝したい」とコメントした。

花村さんは「THEインパクトランキングは、いかに『社会貢献』ができているか、SDGsに基づいた取り組みがなされているかが評価対象となる、これまでにない新しい大学評価方法だった。本学で2020年にSDGs推進本部が新たにできたこととあわせて、ランキングへのエントリーは意義のあるものだと考えた」と本ランキングへの参加を決めたきっかけを語った。

SDGsのゴール別ランキングで、本学は項目11「住み続けられるまちづくりを」において国内の大学のなかで最上位となった。
「項目11は『文化遺産の保護にどう取り組み、社会に還元しているか』『環境に配慮した建造物を建築しているか』などがテーマ。本学のアートリサーチセンターをはじめとするさまざまな取り組みは、文化遺産保護を行う研究施設として評価を得たと感じる」と花村さんは話す。
一方、項目4「質の高い教育をみんなに」、項目5「ジェンダー平等を実現しよう」の2項目は、本学を含め日本の大学が苦戦しており、世界と比べて低い位置にとどまっているという。
これについて花村さんは「項目4については『親族のなかで初めて高等教育を受けた人の割合』が評価基準となっており、発展途上国や新興国の大学、あるいはそれらの国から多くの留学生を受け入れている大学が高い位置を占める。日本では親族のなかで初めて高等教育を受ける人の割合は低く、また、そのようなデータを収集していない」と分析する。しかし同時に「日本だけを見るのではなく、世界に目を向けて、世界的な指標で高く評価されるための活動を模索していくべきだ」とし、真剣な表情を見せた。

花村さんは「長期的な視点を持ちながらSDGsに関連した取り組みに着手したい。今はコロナ禍にあるが、それにかかわらず学生の皆さんが行う活動の支援をこれからもしていきたい」とした。
山下さんは「afterコロナの社会は、コロナ前とは異なる社会となっているだろう。刻一刻と変わる世界を意識し新しい『ノーマル』に対応していきたい」と今後の展望を語った。また「本学は学生の課外活動が多様。皆さんの活躍が大学発展の一助となる。ぜひ活動を学外にも発信してほしい」と学生に呼びかけた。

「本学独自の取り組みを加速させたい」SDGs推進本部が見据えるこれから

SDGs推進本部は、大学内で行われている多様な活動を「SDGs推進」という観点からまとめ、活動者や団体に向けた提案や支援を行うために設置された。今後はさらに、SDGsが掲げる17のゴールに基づいた企画立案や学内の研究・教育や関連する教職員・関係者のマッチングを通じた展開を加速させる。

「SDGsは、社会的注目度も高い。国全体で取り組む事業に立命館大学として積極的に参加し、企業や他大学との連携も行っている」と山下常務理事は語る。今年のインパクトランキングの結果を受け「立命館大学の取り組みを一定評価いただけた」とコメントした。
「SDGs推進に向け、さらに独自の取り組みを展開していきたい。社会に向けてどんな力を発信していくのか、貢献していくのか、という観点が大切であると考えている」と語る山下常務理事。 本ランキングに対する意識について聞くと「積極的にエントリーをすることで大学としての 認知度が上がればアピールポイントが増える」と話した。世界の優秀な学生に立命館の魅力を感じてもらう要素のひとつとして捉えているという。

新型コロナウイルス感染拡大がもたらす影響については「コロナによって、社会のなかで生活しづらい環境にいる人たちの状況がこれまで以上に浮き彫りになった」と語る。「コロナ禍で社会の形は大きく変わり、今も変わりつつある」と現在の状況を分析する。今後については「SDGsや教育・研究の推進を通して、既に見えている問題の解決にとどまらず、潜在的な問題にも目を向けていきたい」と語った。
(坂口)

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