中国理解講座 東アジアの石造民家に迫る
第220回中国理解講座「中国を中心とする東アジアにおける『石造民家』の系譜」が 7月25日、立命館大学国際平和ミュージアム・立命館孔学院講義室にて開催された。同講座は立命館孔子学院の主催で、衣笠総合研究機構の大場修教授が講演を行った。大場教授は今回の講演会で中国を中心とした東アジアの石造民家について紹介した。
講演では、中国漢民族の伝統住宅「四合院系住宅」や貴州省に居住するプイ族の石組民家、雲南省ペー族の石造民家などを取り上げた。現地調査で撮影された写真を用いながら、それぞれの特徴、その背景にある文化や風土について解説した。

大場教授が石造民家の研究を始めたきっかけは、長崎県で世界遺産の調査をした際に、日本の伝統的な民家には見られない石造りの独特の建築に出会い、その景観に強く魅了されたことだという。調査を進めるうちに東アジア各地にも多くの石造民家が存在することを知り、中国各地で本格的な調査を開始した。現地では中国人の留学生とも協力しながら調査を進めた。
また、今回の講座では日本と中国において石造建築と木造建築の違いについても説明があった。日本では木造建築に適した木材が豊富である点や高温多湿な気候や地震が多いことから石造建築は発達せず、木造建築が発展した。一方、中国では木造建築に適した木材が少なく、入手困難である点から木造建築は高い価値を持つという価値観が醸成されたと説明した。
大場教授は日本では伝統的な木造建築技術が建築基準の変化などによって継承しにくくなり、歴史的な工法が失われつつある現状にも触れ、伝統建築を記録・研究し、後世へ伝えていくことの重要性を訴えた。
参加者からは、「具体的で地域性がよく分かった。フィールドワークと分かりやすいお話で感銘を受けた 」「家にはその⼟地の特性や家を建てる⼈の経済状況も関係してくるという部分が興味深かった 」などの意見が寄せられた。
(山森)
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