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ダイヤ改正、きょうで半年 JR嵯峨野線 不便変わらず【ルポ】

JR西日本が3月にダイヤ改正を実施してから、16日で半年を迎えた。本学衣笠キャンパスへの通学の足として利用される嵯峨野線が増便され、混雑緩和につながったという見方がある一方で、嵯峨野線の沿線地域では、改正後のダイヤについて失望する声も聞かれる。

利用者で混雑する京都駅のホーム=4月18日午後4時51分、京都市下京区(長時間露光で撮影)

■ダイヤ改正、増便へ

嵯峨野線は山陰本線の一部区間。京都駅(京都市下京区)から京都市西部を縦断し、亀岡市・南丹市方面に向かう。JR西は3月16日、嵯峨野線のダイヤ改正を実施し、昼間に嵯峨野線の増便や増結を行った。「利用が回復基調にあることから、定期列車としての運転や列車の両数を増やすこととなった」と説明する。

JR西の報道資料に掲載されたダイヤ改正後の時刻表。赤枠が増発

改正により、京都―嵯峨嵐山駅間では、普通列車を6往復12本増発。列車は1時間5本の運転になった。また、6両や8両編成で運転する列車の本数を増やしている。JR西は、これらの施策により「さらにご利用いただきやすくなる」と紹介している。

■混雑は依然深刻か

ダイヤ改正後の4月8日、午後4時39分発の京都方面の電車に乗るため、円町駅に向かった。近隣の中学・高校の生徒や大学生などでごった返すホームに到着した普通列車の車内はすでに混雑。車掌が空いているドアから乗車するようアナウンスを繰り返す場面も見られた。

利用者で混雑する京都駅の34番のりば=4月8日午後4時52分(画像の一部を加工しています)

乗車した京都方面の先頭車両は、外国人観光客などで満員状態。ぎゅうぎゅう詰めになった車内ではつり革や手すりもつかめず、乗客は他人と密着しながら揺れに耐えようとしていた。

円町駅を発車して以降、二条駅・丹波口駅・梅小路京都西駅では、先頭車両寄りを中心に乗り切れない客が発生。ベビーカーを押す夫婦らが、乗車を諦める様子が見られた。増便により混雑は緩和されたとみられているが、状況は依然深刻だ。

背景には、新型コロナウイルス禍からのインバウンド(訪日外国人客)の回復がある。日本政府観光局によると、7月の訪日外国人客(推計値)は329万2500人で、前年同月比41.9%増。単月として過去最高を記録した。沿線に嵐山などの観光地を有する嵯峨野線で訪日外国人客の利用が増加し、混雑につながっていたとみられる。

混雑の緩和に向けてJR西は、臨時列車の運転や両数を増やしての運転を行う予定だという。このほか、スムーズな乗降を目的に、補助シートを利用できる時間帯の縮小や、通路部分が広い車両の運転を実施している。

嵯峨野線で運転される車両の車内。新たな車両(左)は、従来の車両(右)より通路部分が広いことがわかる。

京都駅における嵯峨野線のホームの形も、混雑を引き起こす要因の一つとみられている。嵯峨野線のホームは、線路が行き止まりになっている「頭端(とうたん)式ホーム」。改札や乗り換えに向かうための移動距離が、行き止まり側から離れるほど長くなる構造だ。

JR西は、京都駅での乗り換えに便利な京都駅寄りの車両に、乗客の利用が集中する傾向があると説明。「案内放送や駅案内表示により、園部駅寄りの車両をご利用いただくよう、継続してご案内している。引き続き、分散乗車にご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

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