関西学生野球の第4節3回戦が24日、南港中央球場(大阪市住之江区)であり、本学が関学大に7-2で勝利した。これで戦績は2勝1敗となり、本学が今節の勝ち点を獲得した。次戦は10月6日(日)で近畿大とほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区)で戦う。
試合は2回、無死3塁から5番榮枝裕貴(文3)の犠飛で本学が先制すると、3回には宮崎竜成(経営1)の2号ソロ本塁打で点差を広げる。
一時は1点差まで迫られるが、5回に打者一巡の猛攻で4点を加え、突き放す。
先発の坂本裕哉(文4)は8安打を許すも、要所を締めて9回2失点の粘投。139球で今季初完投勝利を達成した。
「主将が負傷 腹くくった榮枝 バットとマスクで代役果たす」
主将で4番捕手の大本拓海(文4)が腰痛で出場を回避。そのピンチを救ったのが、今季初スタメンの榮枝だった。高知高校出身の榮枝は遠投110メートルの強肩やセカンド送球1.8秒のフットワーク(2秒以下で早いとされる)など守備が売りの選手である。一方で打撃でも、今春の関大3回戦で代打逆転適時打を放つなどチャンスに強い。
その実力は指揮官も「(正捕手の)大本と遜色ない」と認めるが、1学年上の大本の存在は大きく、出場機会に恵まれてこなかった。その中で訪れた先発出場のチャンス。「守りに入らず、攻めていこう」と決めて試合に臨んだ。
その意気込みがまず発揮されたのは2回表の第1打席だった。この回先頭の4番三宅浩史郎(産3)が右前打で出塁すると、5番榮枝の打席間に盗塁(エンドラン空振り)とワイルドピッチで三進する。
無死3塁の好機に榮枝は「なんとかバットに当てて外野まで運ぼう」と外角球をファールで粘る。
「粘りながら、少しずつタイミングが合ってきた」
11球目をセンターに運び、犠牲フライで先制点を奪う。5回には貴重な追加点となる2点適時打を放ち、バットで後藤監督の起用に応える。
攻めの気持ちはリード面でも活かされた。「直球を活かす配球を心掛けた」という榮枝は、1点差に迫られた2回のピンチでも3番野口を直球で見逃し三振に打ち取る。関学打線に8安打を浴びたが、強気のリードで坂本を今季初完投に導いた。
この試合で榮枝は3打点を挙げて、今季の打点はチームトップタイの4になった。最近は勝負強さを買われての代打起用も多い。「守備と打席のどっちが好き」と聞いてみたら、「そりゃスタメンで出たいですよ」と榮枝は苦笑した。「でも」と付け加えて「与えられたところで結果を積み重ねて、自分の役目を果たしたい」とも語った。
「再来週の近大戦では大本さんが復帰していると思う。代打での出場なら腹をくくって一球で仕留めたい」
後藤監督
坂本は今までコースを狙いすぎた部分があったが、今節の関学戦から本来の投球を取り戻した。今日くらい強い球で押し込んでいたら、合格点ではないか。
宮崎の本塁打でチームが勢いづいた。彼は本塁打の次の打席でセフティバンドを試みるなど良い仕事をする。最終回の一死1塁でのセカンドゴロも慌てずに落ち着いて、一塁に送球したが、点差を考えたプレーが出来ていて良いセカンドだと思う。
坂本裕哉投手
(終盤にかけても)疲れはなかった。試合の中で強弱を付けないといけない部分はあったが、被安打の数(8安打)は気になる。クリーンナップとの対戦は、気合いが入った。(次節の対戦相手である)近畿大は一番、意識をする相手。春季リーグでは抑えたが※、近大も対策を取ってきていると思う。6日の初戦にベストを持っていきたい。
※坂本は春季リーグの近畿大戦では1回戦と3回戦に先発した。1回戦では5安打完封勝利、3回戦では9回2失点の完投勝利だった。
大本拓海主将
今節の1回戦(21日)の後の自主練習で腰を痛めて、今日は出場できなかった。チームは集中して落ち着いて、相手投手とがっつり組んでいた。(次節の近畿大戦までは)1週間空くので、個人としてもチームとしてもマックスに持っていきたい。優勝を目指してここから4連勝。自分たちの持っている力を発揮したい。