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若者取り巻く薬物汚染 大麻事犯急増、背景にSNS

薬物取引の呼びかけとみられるSNSの投稿。乾燥大麻は1g 4500円から販売されていた=8月30日、Xより

近年の薬物取引でSNSが多用されていることも、若者への薬物汚染の拡大の要因となっている。X(旧ツイッター)で検索をかけると、乾燥大麻を意味する「野菜」やブロッコリーの絵文字、面接取引を意味する「手押し」といった隠語が並ぶ投稿が溢れているという。林警部によると、近年はテレグラムやシグナルといったより匿名性の高いSNSが、警察に見つかりにくいとして利用されており、これらのSNSは入手経路でかなりの比重を占めているという。

こうした動向を受け、京都府警は対策に乗り出している。薬物・銃器に関する犯罪等の捜査を担う組対3課では、SNS対策専門の部署の設置やSNS上の隠語を検索するシステムの導入など、対策を強化している。林警部は「従来の取り締まりに加え、新たな犯罪の形に合わせた取り締まりも行っている。今後もSNSに対する対策は行っていかなければならない」と考えを述べた。

■「気軽に相談を」京都府警の取り組み

京都府警は「違法薬物110番」という取り組みを行っている。違法薬物110番は毎日24時間、違法薬物に関する相談を匿名でも受け付けている相談窓口。薬物使用者自身からの相談や、薬物事件に関する情報提供を呼びかけている。林警部は「知り合いが違法薬物を使用していることを知った人が皆、警察に通報できるかというとそうではない。そういう人のためのダイヤルでもある」と話し「どうすればいいのか分からなければ気軽に相談してほしい」と呼びかけている。

取材に応じた組対3課の林警部=9月11日、京都市上京区・京都府警本部

このほか、京都府警では少年課が高校などで薬物乱用防止教室を行っており、企業や大学などから依頼があれば、組対3課が薬物乱用防止のための講演を行っているという。林警部は今年相次いだ大学の運動部での薬物事件について触れつつ「一度気を引き締めるべきなどと考えている部活動があれば、相談していだだければ講演に伺う。やらないよりはやった方が効果がある」と話している。

林警部は「違法薬物の使用は周りを不幸にする。誰が悲しむかよく考えたら手を出さないはずだ」とし、学生に向けて「違法薬物を使ったらどうなるか、デメリットをしっかりと考えてほしい」と呼びかけた。

(小林)

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