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立命館憲章改正案修正 「戦争の痛苦」記載、12月まで意見集約 

学校法人立命館の総務課は27日、manaba(マナバ)+R上で「『立命館憲章』改正案の修正に関する意見募集について」を公開し、立命館憲章改正案の修正案について、本学学生への意見募集を開始した。意見集約は12月10日まで行われる予定。

憲章改正を巡っては、4月25日に発表された改正案で、「戦争の痛苦の体験」の文言が削除されたことなどを巡り、一部の学生や教職員が反発。常任理事会は当初7月中を予定していた改正案の正式決定を見送っていた。

改正案からの主な変更点として、第2段落の冒頭に「立命館は第2次世界大戦の痛苦の体験を踏まえ、歴史を省みて戦争と暴力を否定し、民主的な学園運営の歩みを進め、平和の理想を希求し続ける」という文言が追加された。

また、第4段落には、現行憲章では第5段落に含まれており、4月の改正案では削除されていた「自主、民主、公正、公開、非暴力の原則を貫き」という文言が加えられた。

修正案をまとめるにあたり「寄せられた意見を真摯(しんし)に受け止め、改正委員会の検討内容や考え方および現行憲章の内容や成立過程の理解をより深め、全学園の構成員がより共感できる新たな憲章の修正案を審議してきた」としている。

約2カ月の意見集約後、結果が常任理事会に報告される。その後も継続して意見募集を行うことも検討するという。

また意見集約に際して、11月10日に大阪いばらきキャンパス、11月11日にびわこ・くさつキャンパス、11月19日に衣笠キャンパスにてそれぞれ学園構成員を対象とした懇談会を開き、意見交換の場を設けることを発表した。

懇談会では立命館憲章改正検討委員会の高山茂元委員長、山下範久元事務局長が説明を行う。いずれも対面とオンラインの併用で行われる。本学学友会や院生協議会連合会、教職員組合との懇談も別途、実施されるという。
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公開された修正案は以下の通り

「立命館憲章」改正案の修正案

立命館は西園寺公望を学祖とし、1900年、中川小十郎によって京都法政学校として創設された。「立命」の名は、『孟子』の「尽心章句」に由来し、「立命館」は「学問を通じて、自らの人生を切り拓く修養の場」を意味する。立命館に集う私たちは、建学の精神である「自由と清新」を尊び、教学理念として「平和と民主主義」を掲げる。

立命館は第2次世界大戦の痛苦の体験を踏まえ、歴史を省みて戦争と暴力を否定し、民主的な学園運営の歩みを進め、平和の理想を希求し続ける。私たちは、不断に国際化を追求し、私立総合学園として、大学院生、学生、生徒、児童および教職員の参画と、校友、保護者および学園にかかわるあらゆる方々による支援のもと、自由な挑戦と創造性をもって社会に貢献していく。

立命館は多様性を尊重する。私たちは、誰もが等しく有する尊厳を重んじ、ひとりひとりに宿る創発性を貴ぶ。そして地域社会に根ざしつつ広く学園内外と協働し、研究、教育、文化・芸術、スポーツなどの多様な活動を通じて、自己の成長と包摂的な社会の実現に努める。

立命館は自由な研究と学問の先駆者となる。私たちは、自主、民主、公正、公開、非暴力の原則を貫き、あまねく共有される新たな共生価値をもたらす知的創造に果敢に挑む。そして私たちは、「未来を信じ、未来に生きる」の精神を受け継ぎ、研究大学・探究学園におけるそれぞれの活動が未来の世界を生み出す営みであることを心に刻み、持続可能な社会の創造と世界の平和の実現に尽くす。

(八木)

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