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【総長選挙2022】総長候補者 所信表明インタビューに応じる

11月6日に行われる総長候補者選挙人会に向け、10月13日に総長候補者が公示された。総長候補者として板木雅彦氏(65)、櫻井純理氏(59)、仲谷善雄氏(64)の3名が推薦された。なお、年齢は総長就任日(2023 年1月1日)時点のもの。公示を受け、立命館大学新聞社は候補者3名に取材を依頼。なお板木氏、櫻井氏は本取材を辞退したため、仲谷氏の単独取材となった。10月19日に公表された所信表明内(学内のみ)も参照いただきたい。
(なお、取材を辞退した板木氏、櫻井氏の所信表明は、学内での公表のみとなって
おり、本記事での掲載は差し控えさせていただく)

インタビューに応じた仲谷氏

 理想とする立命館の総長像について

私学立命館には「自由と清新」という建学の精神がある。これに基づき、教育・研究を総括していく。その存在が総長だと考えている。大学としてのR2030チャレンジ・デザインの取り組みを進めるにあたり、「次世代研究大学」と「イノベーション創発性人材の輩出」を施策の柱として掲げている。私自身は、これは「自由と清新」を現代的な形に表現しなおしたものと考えている。これを推進し、実現することが、総長としての非常に重要な役割であり、その時に学生・生徒・児童の皆さんとも協力し、意見交換をしながら進めていくのが立命館の総長だと思っている。

 どのような大学運営を目指すか

まずは総合学園立命館として、一体感をもってすすめていく。
小中高大院とこれだけたくさんの学校があって、そこに5万人の学生、生徒、児童が集っているが、その方々を取りまとめる一つの軸として、私は「探究」ということを掲げている。大学としては、次世代研究大学を目指すとしているが、学園全体としては「次世代探究学園を目指したい」と様々な場面で発言してきている。研究力のベースに探究力があると考えており、大学、大学院という研究を行う場に接続するために、探究心・探究力を小学校の頃から、学園として一貫して育んでいく。ここで重要なことは、探究力は教えるものではないということだ。つまり、それはある一定の環境のなかで、育まれるものであり、学ぶ者が自ら獲得していくものだと考えている。したがって、学園の役割としては、探究力を養える環境をしっかりと構築して、皆さんに提供して、活用いただくことだと思っている。当然、教員の役割も、知識を一方的に教えるのではなく、アドバイスをしたり、一緒にチャレンジをしたりと、コーディネーター的役割が増えていくと思う。当然のことながら、基礎的な知識については「教える」ことが必要になるが、探究ということになれば、自ずと皆さんの主体的な問題意識、自主的な取り組みということが要になってくる。学園は、探究的な学びを制度としてしっかり作り上げていく。総長として一期目を務めてきた中で、立命館の小学校、中学校、高等学校、大学、大学院を通して「探究」という一つのキーワードでつながる、非常に良い関係が構築できていると手ごたえを感じている。例えば、すべての附属校が、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)、SGH(スーパーグローバルハイスクール)、WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)といった、国が推進する事業のひとつ、またはすべてに採択される中で、様々な取り組みを実施し、探究力を全国トップレベルにまで高度化してきている。そのような探究力が、大学とうまく接続できるような仕組みとして、高大(高等学校と大学)連携が進む、あるいは高院(高等学校と大学院)というレベルでの連携も始まっている。探究力を飛躍的に高めるためには、高いレベルの問題意識が重要であり、中学校での取り組みが大切になると考えている。そのため、今年度は中大(中学校と大学)連携の試みが進められるよう、いろいろな場で発言してきており、確実に実現してきている。このように、探究力の高度化を学園全体で取り組んでいきたい。大学からの入学者との関係では、附属校の卒業生がしっかりと立命館で培ってきた探究力を活かしてリーダーシップを取り、共に学び合う中で互いに高めて行けるような、そういう風土・環境を作って行きたいと思っている。

 R2020の取り組みに対する評価

R2020とR2030とは断絶したものではなく、R2020はR2030に繋がるベースを作ったと認識している。やはり「学びの立命館モデル」の中で、正課・正課外を通じて自主的な学び、主体的な学習者を育成していくという目標を掲げて、共に学び合う環境の整備に取り組んできた。例えば、ピア・ラーニングの取り組みや課外自主活動についても、取り組みを強化してきた。こうした取り組みは、先ほどの探究力の高度化につながるものといえる。また、探究の先にある研究力を高めることに組織的に取り組んできた。科研費の採択件数・採択額共に私学3位の位置にあり、このレベルにR2020の10年かけてもってきたということは大きい。それがR2030の次世代研究大学、あるいは次世代探究学園を目指して取り組むという目標に繋がっていく。また、R2030チャレンジ・デザインで言うところの研究は、いわゆるペーパー、論文を書くためのものだけではなく、大学におけるさまざま知的活動について幅広く捉えている。現在のように先を見通すことの難しい時代、社会問題が複雑化してきた時代には、大学と社会の高度な連携が非常に重要になる。新たな価値を創造して社会に貢献していくような地域連携、産学連携を私学としてさらに重点化して取り組んでいく必要がある。それは1994年のBKC開設の時に我々が国内で先駆けて取り組んだことであり、R2020の中でも、それは国内トップレベルに育ってきている。R2020というのは我々の中にしっかりと根付いていて、特に立命館大学の研究力、あるいは主体的学習者の育成というようなベースを作ってきた。だからこそ、より一層の高みに飛躍できると考えている。

 次世代研究大学について R2020の成果を発展させたものと考えているのか?

そう考えている。私は第1期就任以降、SDGsに積極的に取り組むことを言ってきている。社会との関わりを全員が持ち、日常生活の中で科学を実感・実践する、あるいは世界共通の課題に取り組むことで日常生活のグローバル化を進展させるという意味でSDGsに取り組んできた。こういう取り組みが、新たな社会共生価値の創造に繋がり、高度な研究に繋がると私は思っている。
また、例えばアートリサーチセンターに代表されるデジタルアーカイブズ。人類の知的財産である美術品や歴史的遺産をデジタル化し、それを世界に公開し使っていただく。実際、大英博物館やメトロポリタン美術館で使っていただいている。彼らはそれがないと日本文化を研究できないとまで言ってくれているわけで、このような取り組みも我々が考えている研究に含まれる。文系理系問わず、大学は広い意味で研究を行う場だと考えている。そこには高度な問題意識を持って学ぶという探究が含まれている。研究や探究は、学部学生にとっても全く別の世界の話ではなくて、探究力をあげていくことは、今後のグローバルに複雑化する社会の中で生きていく上で必須のものだと私は思っている。立命館を卒業したみなさんにそのリーダーになってもらうことを期待している。探究力・研究力を学園全体として高めていくためにR2030に取り組んでいこうと思っている。

 大学のDX化について

情報理工学部の教員である私として、DXはあくまでも、我々が目指しているような探究力、研究力を飛躍的に向上させるためのツールだと思っている。例えば、大学において探究力を向上させる場は正課にとどまるものではない。課外自主活動においても、探究的な取り組みは必須だと思っている。しかし、それらの取り組みが切り離されたものでなく、相互に補完し合うものであるべきだと考えている。正課、課外、留学、就活、その他の学生生活を適切かつ効果的にむすびつけるものとしてDXを考えたい。例えば課外自主活動の中で、探究している対象について、関連する授業を紹介する、あるいはそのことを研究している研究者や研究事例を紹介する。DXはそのような知の関係づけに効果を発揮するものだと考えている。また、大学は、正課を支えるのは学部や教学部、課外自主活動をサポートするのは学生部、留学のバックアップは国際部というように、サポートする部門が別れている。しかし、学生の皆さんの目線で考えると、これらの総体として学生生活がある訳で、それぞれが分かれているわけではない。このような学生の皆さんの目線で部門間が連携したサポートをする仕組みにもDXは活用できると考えている。そのほかの例を挙げるならば、BKCの経済学部・スポーツ健康学部・食マネジメント学部が取り組んでいるatama+を使ったAO入試がある。これは数学に特化しているが、学部に入ってから必要となる単元を人工知能のatama+というシステムを使って自習してもらうものです。学習後、一定の評価テストをうけてもらい、理解できていないところについては理解に達するまで何度も学んでもらい、一定のレベルに達すればAO入試に出願できるという、DXを用いた日本で初めての、新しいタイプの入試になっている。この取り組みは、立命館を熱望している志願者に「我々と一緒に学んでいきましょう」というメッセージを届け、入学前の段階からサポートし、着実に学びのプロセスを経験した人に入学してきてもらうもの。入学したときには、探究を行うベースが形成されており、そこから探究に向き合ってもらえる。つまりベースラインを上げることにあたる。他にも、小中高大院を本学園で学んできた学習者の学習履歴に基づいて、適切な学習アドバイスを提供したり、卒業後にもリカレントやリスキリングの提案をするなど、DXの活用方法は多様に広がっており、R2030の実現に資する形でDXに取り組んでいきたいと考えている。

 候補者自身の学生との関わり方

現総長としては、できるだけ現場に行って話を聞くようにしている。例えば総長講義が終わってから学生と話をする時間を取っている。それからキャンパスに行く時にはできるだけ学生の生活を見たり、話しかけたりして、できるだけ身近に接するようにしている。
また学友会の方々と意見交換として、全学協の場やその手前で話す機会を設けたりもしてきている。とにかく触れる時間を、機会を増やしていきたい。
夏前には、私の方から提案して、立命館高校のSSHの生徒さんに対して、研究の面白さを話す機会を作って頂き、質疑応答が1時間も続いた。
こういう機会は、待つのではなく、私の方から申し出て、できるだけ多くの機会を作っていきたい。

 学生に向けたメッセージ

「立命館に来てもらった学生・生徒・児童の皆さんに対して、やはりここにきてよかったと思える学園にしていきたいと思います。一言で言うと、いつも言っている『ワクワクする学園』を作っていくんだということです。それには『知の見える化』が必要だと思っています。この学園の中でどういう知的活動が行われているのか、誰がそれに関わっているのか、何を目指しているのかということが、見えるようにならないと、なかなかワクワクはできないと思います。DXはそのために使っていきたいし、いろんな方が繋がる中でワクワクはどんどん増殖していくものなので、いろんなチャレンジを大歓迎して、それに対して私を中心に学園がサポートしていくことを推進していきたい。ぜひ一緒に『ワクワクする学園』を作っていきましょう」
(文責・中村)

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