9月18日、本学衣笠キャンパスの存心館地下1階にあった「存心館ブックセンターふらっと」と「住まいさがしセンター」が閉店し、至徳館ショップに統合された。9月28日に営業開始した新店舗では教科書の予約販売など新制度も実施される。制度変更のきっかけや今後の展望を立命館生活協同組合の小松奨之佑・統括店長に聞いた。

本紙の取材に答えた小松奨之佑さん(左)、三木淳さん(中央)、篠原紀子さん(右)=10月11日、衣笠キャンパス

今回の教科書予約販売制の導入は、「積年の課題だった混雑問題の『合理的な解消』を目指し、学生の利便性を向上させるためのものだ」と書籍担当の小松さんは語った。「(教科書を買いたければ入場待ちの列に)並ぶしかなかったを変えることができた」と話す。

予約販売導入前の教科書販売に関する学生からの不満は、ほぼ全てが店内の混雑と入店待ちの行列についてであった。それを受けて構想された同制度では入店時刻を15分ごとの予約枠で区切り、一枠当たりの人数に上限を設けることで混雑を分散させることに成功した。

小松さんは「体感7割程度の学生さんには良くなったという声をいただいた」と話す。教科書を探す手間が減り、売り場へ入る混雑も解消されたことが学生の不満改善につながったと考えられる。

昨今のデジタル化の波でモバイルオーダーが普及する中、生協書籍部は学生が教科書を棚から探す、昔からの本の売り方をしていた。これは学生にとって親切とは言えない設計で、利便性が高いとは言えないと小松さんは分析。「本を探す手間をなくし、販売形態を時代に追いつかせることができた」と小松さんは振り返る。

しかし、時間通りに行動したり、事前に予約したりするなどの計画的な行動が苦手な学生もいる。生協は対策として、もし予約時刻に学生が来店できない場合にも翌営業日まで教科書を受け取ることはでき、メールでの連絡も行っているという。もし教科書販売期間に購入を忘れても、しばらくは教科書の継続販売を行い、在庫がなくなった後も教科書は注文できる。生協によると、9割程度の学生が時間通りに受け取りに来たという。

また書店の移転と改装についても話を聞いた。「本と触れあう」をテーマに書籍事業を変革するべく新書店の移転、改装工事を行った。このテーマを標榜した理由として昨今の読書時間の減少や若者の本離れを小松さんは挙げる。

今年2月、全国大学生活協同組合連合会が発表した学生生活実態の調査によると、半数以上の大学生が1日の読書時間を0分と答えた今回の店舗統合では、パン・飲料の隣に本がある店内レイアウトとなっている。「本に触れる機会を持つことができるようになるのでは」と小松さんは話す。

ただし改装に伴い書店の床面積は縮小した。そのため陳列できる冊数も減少し、新書店を存心館時代の書店と同水準で維持するのは困難だと小松さんは明かす。「売れる本、売れない本があるのは仕方ない。専門書、入門書などは、たとえ売れない本があっても、新刊を中心に品揃えして行きたい」と語った。

教科書販売ブースの今後についても話を聞いた。現在の教科書販売ブースはイベントブースとなる。生協は組合員に利益を還元する組織であるという前提に立ち、イベントブースを学生や教員組合員に活用してもらえるよう今後応募フォームを整備し、ブックフェアやトークイベント等、申請者が利用できる多目的なスペースとしての場所としての活用を目指す。

小松さんは今後の生協書店について「存在意義が問われている」と話す。生協の書籍部は大学の中にある書店であり、在庫数は大規模な書店には及ばない。電子書籍を取り扱うアマゾンや二次流通のメルカリなどに対し、価格面で有利を得ることも厳しい。しかし一般的な書店に来る人間は欲しい本が決まっている場合が多く、顧客が限定される傾向がある。しかし生協書店ならば何かのついでに来ることが可能だ。「お昼ご飯を買いに来たついでに、自動車教習所の申し込みに来たついでに、パソコンの相談に来たついでに、ぜひ立ち寄ってほしい」と三木さんは話す。

「4年間で大学生はいろいろなことや感性に出会う。そんな学生の手伝いをし、書店が学内にあってよかった、そんな大学で学べてよかったと思ってもらえるような書店を作りたい。学生の学習習慣を作り、一人前になれるよう手伝いたい」と小松さんは抱負を語った。

(国島、宮本)