本学は1日、国際連合で事務次長・軍縮担当上級代表を務める中満泉氏に名誉博士号を贈呈した。名誉博士号の贈呈は43人目。同日行われた贈呈式で中満氏は「皆さんと一緒に平和について考えられるのを楽しみにしている」と期待を語った。
名誉博士号は、学術・文化または人類の進歩のために貢献し、本学に対して顕著な功績があったと認められる人に贈られる。中満氏は、本学の教学理念「平和と民主主義」を体現しているとして贈られた。
贈呈式には本学の仲谷善雄学長が登壇。若者の国連参加の重要性を訴えてきた中満氏の行動や考え方について「教育に携わる者として大きな刺激をいただいた」とし、「学生にとって大きな刺激になる。国際貢献を志す若者の動機付けになると思う」と話した。
また本学は、国際関係学部・研究科設置で国際的な平和構築に資する教育研究を、国際平和ミュージアム開設で国際平和創造の拠点をそれぞれ目指してきたと説明。「(贈呈が)平和教育・研究の新たな出発点となることを切望している」と思いを語った。
贈呈式に先立って同ミュージアムを見学し、中満氏は「戦争の複雑性が、強いメッセージとして心に迫ってくる、素晴らしい展示だった」と振り返る。
贈呈を受け、中満氏は「私はただ一生懸命、仕事をしてきた普通の人間だ」としつつ「平和のために日々さまざまな場所で行動する多くの方々への叱咤(しった)激励としてお受けしたい」と思いを述べた。
(小林)