本学のびわこ・くさつキャンパス(BKC)で11日、立命館憲章改正案の修正についての懇談会が対面とオンライン上で実施され、修正の趣旨についての説明と質疑応答が行われた。懇談会は3キャンパスで行われる予定で、10日の大阪いばらきキャンパスに次いで2度目。オンライン上では、英語の同時通訳が配信された。
懇談会では、種子田穣・学園広報室長が司会を務め、立命館憲章改正検討委員会で委員長を務めた高山茂・副総長と、事務局長を務めた山下範久・常務理事が登壇した。
10日に引き続き、高山副総長から憲章改正の発議や修正の経緯・理由などの説明があった。続いて山下常務理事が、修正案の内容について説明した。
終了後、研究の制限について質問した教員が本紙の取材に応じ、「多様な意見が聞けて興味深かった」と振り返った。その上で、本学の進める宇宙研究を懸念する声を念頭に、「憲章を根拠に、研究が過度に縛られることにはなってほしくない」と述べた。
本紙の取材に応じた理工学部の学生は懇談会について、「誰もが意見を述べられた。改正のプロセスに対する不安が一定解消された」と評価した。一方で、参加者の少なさについては、「隅々まで届けられていない」と、周知の徹底を求めた。
憲章改正の説明をする高山副総長=11日、滋賀県草津市・BKC◇ ◇ ◇
懇談会の質疑の要旨は次の通り。
――修正案の2段落目の「大学院生、学生、生徒、児童および教職員の参画」は何に対する参画なのか。
山下常務理事「開かれた場所である大学のあらゆる営みに対してだ」
――賛否が分かれる中で、周知・浸透に向けてどのような取り組みをするか。
高山副総長「解説文書を作り、それを活用して付属校生などに対しても浸透を図っていきたい。学友会や院生協議会連合会とも連携して取り組んでいきたい」
山下常務理事「憲章を元に議論の場を多様な形でつくりたい。そうした中で憲章の役割が深められる」
――憲章によって研究が制限されることがあるのでは。
高山副総長「全く縛るようなことはしないが、個人の尊厳を傷つけるような行為・研究が本学でできないのは憲章以前からの立命館のポリシー」
――「正義と倫理を持った地球市民として活躍できる人材」が削除されているが、概念は継承されているのか。
山下常務理事「そうした概念は修正案にも引き継がれている」
――「正義と倫理を持った地球市民として活躍できる人材」をコンセプトに「コミュニケーションマーク」=①=が制定されているが、憲章が改正されたらどうするのか。
高山副総長「まだ憲章の改正は確定されていないが、改正後にコミュニケーションマークの解説文との明らかな齟齬(そご)があれば解説文の修正を検討する」
2007年に制定されたコミュニケーションマーク=①=.png)


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