持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて課題解決に取り組む学生イベント「Sustainable Week 2020」が、10月5日〜10月10日に開催された。今年のテーマは「Imagine the Future -ニューノーマルな文化祭-」。コロナ禍で不安が募るなかでも未来を描き、自分たちが「今」できることに取り組んでいこうという思いが込められている。
Sustainable Weekは2017年に始まり、びわこ・くさつキャンパス(BKC)を会場に毎年開催されてきた。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、ZoomやYouTubeなどを活用する完全オンラインでの開催となった。
初日の5日の企画では、滋賀県内のSDGsに関する取り組みについて取材した学生が、三日月大造滋賀県知事などと滋賀県の魅力や課題について話し合った。学生からは、県内には素敵な活動を行っている企業があることを発見できたという声が挙がった。三日月知事は「滋賀県に根付く思いやりの心や環境を大事にする考え方を発信し、今後も色々な取り組みを実践していきたい」と語った。
また建築における持続可能性について、トリシアの事例をもとに議論する企画が7日に行われた。トリシアは2014年4月、BKCにオープンし、主に理工学部の学生が利用している建物。構造から設備、建築材料に至るまで環境に配慮した設計となっており、建物全体で建築・環境に関する実践的な研究を行ってきた。設計者の菊池浩輔さんは「利用者の意見は貴重だった。環境実験棟としての良いところを生かせたのではないか」と振り返った。
他にも、ボランティア活動について考えるワークショップや、休学・退学やWeb授業の是非について議論する企画、京都市内のSDGsに関する取り組みについて発表するライブ配信など、計30の企画が実施された。
本イベントを主催した立命館大学Sustainable Week実行委員会で、実行委員長を務める豊田真彩さん(食マネ2)は「オンラインで開催したことで、関西以外の地域からも参加してもらえた。様々な制限があったが、学生がSDGsを発信するいい機会になったと思う。今後もSDGsを身近に感じてもらえるようなコンテンツを作っていきたい」と語った。(鈴木)
「SDGs」
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴール・169のターゲットから構成されている。2015年に国連サミットで採択された。
国連が掲げた地球規模でのSDGs(持続可能な開発目標)の解決を目指し、様々な分野で活動する学生たちが、その活動内容や専門性を活かしながら、大学だけでなく地域社会を巻き込んだプロジェクトを行っている学生団体。2017年に日本初の学生主体のSDGs体験型イベントとして「Sustainable Week 2017」を開催する実行委員会として発足した。立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)を中心に、学生自身が時代・社会・ひとが刻々と変化する未来の持続可能性について考え、マイプロジェクトとして表現する機会を学生自らの手で創出している。