本学は10月26日、お茶の水女子大学と協定を締結した。両大学がもつ人材や情報を活用し相互に協力し、今後はダイバーシティと産学連携分野での連携を進めるとしている。
両大学の協定締結の背景には、互いの学内役職者間の定期的な情報交換、文科省への事業の共同申請、全国ダイバーシティネットワークなどの交流がある。「全国ダイバーシティネットワーク」とは、文部科学省と連携し、女性研究者を取り巻く研究環境の整備や研究力向上を目指す事業。
BKCリサーチオフィスの堀井崇道さんは「本学の強みである産学連携と、お茶の水女子大学の強みであるダイバーシティを生かした連携協定を結ぶに至った」と協定締結に至った経緯を説明した。
男女共同参画推進掲げる
協定締結による共同研究や活動について堀井さんは、本学が掲げる「学園ビジョンR2030」の「ダイバーシティ&インクルージョンを実現する学園」について言及。男女共同参画を推進したいとした。女性が学びやすい環境を整え、女性研究者の比率を上げることに注力したいという。
「お茶の水女子大学は、ジェンダード・イノベーションを活発に研究されている。この『性差』を意識した考え方をもとにした人材交流や研究をしていきたい」と語った。ジェンダードイノベーションとは、科学や技術、政策に性差分析を取り込むことにより、新たな視点や方向性を見いだし、真のイノベーションを創出すること。お茶の水女子大学が使命とする「女性リーダー育成」のノウハウについても本学として学ぶところが多いという。
また、学内の個人間での研究を組織間での研究として包括化したいとも述べた。組織間での連携を取ることで、より規模の大きな研究を行える可能性を見出している。
「これまでにない新たな研究を」
堀井さんはこれからの展望について、お茶の水女子大学との共同研究に、本学の強みである産学連携事業を融合させたいとする。人と人、分野と分野をつなげて社会実装を見据えた取り組みを行うとともにアントレプレナー育成事業にも力を入れるという。「本学とお茶の水女子大学の互いの強みをかけあわせることで、これまでにない新しい研究を生み出していく」と力強く語った。
(坂口)