嵐電御室仁和寺駅(京都市右京区)で23日、絶滅の危機にある植物「フジバカマ」を活用した、草木染め体験が行われた。企画には地域住民や子どもら延べ55人が参加。参加した学生らに教わりながら、ハンカチを染め上げた。
企画は、本学学生・教職員や京福電気鉄道(京都市)の社員、地域住民が取り組んでいる「嵐電沿線フジバカマプロジェクト」の一環。2021年の立ち上げ以来、協働作業でフジバカマを育てて守り、余すことなく活用することで、SDGs(持続可能な開発目標)の達成を目指している。
「源氏物語」などで古くから親しまれてきた、秋の七草の一つ・フジバカマ。乾燥させた葉は、桜餅に似た甘い香りがし、染料にもなる。
企画では、花が咲き終わった後のフジバカマの葉を煮出して染液をつくった。子どもたちは、模様がつくよう輪ゴムをつけたハンカチを染料に浸した。
子どもたちが鍋の周りで見守る中、染液でしばらく煮たハンカチを水で洗って広げると、上品で柔らかな薄黄色に染まったハンカチにそれぞれ異なる模様が浮かび上がり、喜ぶ声が上がった。干しているのを待つ間、子どもたちはフジバカマの葉で匂い袋を作っていた。
今回の企画には、サービスラーニングセンターの学生コーディネーターや、「シチズンシップ・スタディーズ」の受講生など、学生16人が参加した。学生コーディネーターの横山光希さん(法4)は、「枯れて終わりではなく、形として残っていく。この取り組みが続いていって、子どもたちが地域とつながるきっかけになれば」と話している。
また、今回の企画の運営を担った学生コーディネーター・楯岡正大さん(産2)は「昨年より人が多く、皆楽しそうで良かった」と振り返る。学生らは12月14日、今回染めた布を使った匂い袋作り体験を企画しているといい、「昨年よりもパワーアップしたものにできるよう頑張りたい」と意気込んでいる。
(小林)