京都府は10月26日、今季初めてとなるインフルエンザ注意報を発令した。10月中の注意報発令は異例で、全国的に新型インフルエンザが流行した2009年以来の14年ぶり。京都府内の一部地域では、より深刻な「警報」レベルの感染状況となっており、京都府は手洗いやアルコール消毒、マスクの着用などの感染対策を呼び掛けている。
10月16日から22日、京都府内における定点医療機関あたりの平均患者報告数は11.66人となり、発令基準である10人を超えた。京都府によると注意報の発令時期は例年11月以降の冬場が多く、今年は例年よりインフルエンザの流行入りや注意報の発令が早いという。
11月6日から11月12日の間の感染状況は、中丹西(26.8人)と京都市南区(19人)の2地域で「警報」レベルとなっている。同時期に報告のあった府内のインフルエンザ患者のうち、10歳から19歳の患者は31.6%に上り、若者の間での感染拡大が顕著だ。
京都府健康福祉部は、インフルエンザの急激な感染拡大の原因について「過去3年間の厳しい感染対策により、インフルエンザの大きな流行が起きなかったことで、免疫が落ちているためではないか」と推測。また、懸念される新型コロナウイルス感染症との同時流行については「双方の感染症の流行状況を注視し、国と連携して対応していきたい」としている。
インフルエンザは、38度以上の発熱▽頭痛▽関節痛▽筋肉痛――などの全身の症状が強く、のどの痛み▽くしゃみ▽せき――などの症状も見られる。気管支炎や肺炎、脳炎などを併発して重症化することもあり、京都府では、インフルエンザに感染した場合「普通の風邪」だと軽く考えず、早めに医療機関を受診して治療を受けるよう求めている。
また、京都府はインフルエンザの拡大防止のため感染対策を行うよう呼び掛けている。具体例として、外出後などに手洗いをする▽インフルエンザワクチンの予防接種を行う▽室内でこまめに換気する▽過労や睡眠不足を避けて十分な栄養と休養をとる▽せきやくしゃみが出るときはマスクを着用し「せきエチケット」に努める――などを挙げ、府のホームページなどで注意を促している。
京都府健康福祉部は大学生に対し「インフルエンザは大学生や学齢期の子どもの間で広がっているため、手洗いやアルコール消毒などの基本的な感染対策を心がけてほしい」と呼び掛けた。
(小林)