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名字に見る独自の地域性

日本人の名字マップ(文学部提供)

2015年1月号より

 

日本人の名字マップ

 

地域別にどの名字が多いかが分かる「日本人の名字マップ」を立命館大文学部の中谷友樹教授(人文地理)と矢野桂司教授(同)が作製した。視覚的に楽しめる、新しい地図の形態が採られている。

日本人の名字マップは、2007年の住宅地図や電話帳などの資料から、国内総世帯数の90%をカバーする約4500万件の名字・地理データを集めデータベース化し、それを基に製作された。地域ごとに色分けし、それぞれの地域で多い名字約260個をローマ字で並べる形で日本地図を描いた。人口の多い名字ほど大きな文字で描かれている。

 

 もともとイギリスで始まった、名字を使った地理学の研究に矢野教授が興味を持ったことが研究の始まり。集まったデータからいろいろな名字を視覚的に見せることのできる地図を作れないかと考え、地図の作製に至った。実際の研究に役立てるためにはデータを処理する必要があるが、中谷教授は「『ウォーリーをさがせ!』の感覚で、自分の名字を探して気軽に楽しんでほしい」と話す。

また、名字に地域性があることが視覚的に分かることもこの地図の魅力だ。名字マップを見ると、東北には「サトウ(佐藤)」、西日本では「ナカムラ( 中村)」が多いことが分かる。九州では「クロキ(黒木)」、沖縄では「キンジョウ(金城)」などが目立つ。地図にしたことで、長年議論されてきた東西の分かれ目が鈴鹿と関ヶ原の間にあることも分かった。

 

各方面の研究に期待

中谷教授は、これからの展望として「名字の持つ地域性から、移民の歴史、そこから分かる遺伝子のプールや文化的な関係性などを研究したい。海外では名字の研究からある地域に遺伝的な病気が多いことを突き止め、実際に警告を出した例もある。また、国際的な研究として、海外で日本の名字がどう広まっているのかを海外の研究機関と連携して研究していきたい」と話した。 (石井沙希)

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