本学はスポーツ庁委託事業として一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)から公募のあった令和5年度「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」に採択された。本事業では、自治体などの地域団体・企業と連携し、本学が有するスポーツ資源を有機的・複合的に活用して地域課題の解決に取り組む。本事業の一環として先日行われた「BKCウェルカムデー 〜びわこ・くさつ健幸フェスタ2023〜」では1万人以上の来場者を記録した。
本事業は草津市が掲げていた「スポーツ推進計画」と、スポーツの価値をウェルビーイングや社会の活性化へ繋げようという本学の意識がきっかけとなり、地域課題の解決を目指し立ち上げられた。地域の課題としては、成人の運動実施率の確保、子供のスポーツ実施時間の向上、指導者の不足などが挙げられる。これらの問題の解決のために、本学・自治体などの地域団体・企業が相互連携する「びわこ・くさつ Well-beingコンソーシアム」を構築し、イベントの開催やシステムの構築を行っていくとする。
11月4日には本事業の一環として「BKCウェルカムデー 〜びわこ・くさつ健幸フェスタ2023〜」が開催され、全体の来場者は13017人を記録。当日はアシックスジャパン株式会社などの連携を結んだ企業による協力のもとスポーツ体験の場が設置された。このほか健康診断を受けられるスペースなども設置され、地域住民の健康への意識改善を目指した。今後は福祉施設への学生ボランティアの派遣や、12月に開催予定の「健幸都市草津ランフェスティバル」への協力などが予定されている。本学スポーツ強化オフィスの伊藤政照さんは「今後のさまざまなイベントを通じ、少しでもスポーツに興味を持ってくれる人が増えればと思っている」と期待を込めた。
また、指導者の不足や高齢化が進む中で、本事業の一環として指導者育成プログラムの構築が進んでいる。同プログラムは学生をあらかじめ指導者として教育し、指導者不足の地域へ派遣するというもの。この施策によって地域のスポーツの場の活性化とともに、学生の指導者としての実践経験取得を目指すという。
本事業は、新型コロナウイルス感染症の影響によって規模縮小や中止を余儀なくされた2年前の事業を踏まえて実施されている。当時の担当者である古澤秀晃さんは2年前を振り返り「当時はイベントを開催することで精一杯だった。今年度の事業では今後も持続可能なイベントの開催・構築を目指す」とより前向きな姿勢をみせた。
(加藤)