立命館学園の構成員の代表が出席し、反戦・平和の誓いを新たにする「第67回不戦のつどい わだつみ像前集会」が12月8日、立命館大学国際平和ミュージアム(京都市北区)で開催された。不戦のつどいは1954年に開かれて以来、日米が開戦した12月8日前後に、学園全体で毎年開催されている。
集会では、出席者全員が戦争犠牲者に黙とうをささげた後、学生や教職員によって献花が行われた。その後、不戦のつどい実行委員長である瀧谷吏玖さん(経営4)や仲谷善雄総長、木下明浩教職員組合執行委員長が登壇し、平和と民主主義に対する思いや不戦の決意を表明した。
瀧谷さんは挨拶で「これからの未来を築いていく私たちは、周りに流されるだけではいけないと考える。一人ひとりが、平和の持つ意味や重要性について考え、選択し、その先に平和な未来を切りひらいていければと思う」と述べた。
仲谷総長は、紛争や飢餓、貧困などさまざまな社会問題が発生していることを挙げ「基本的な人権を尊重するという、民主主義の下での健全な思考がむしばまれていることに、危惧の念を抱かざるをえない」と語った。また「立命館では終戦までに、約3000人もの学生を戦場へ送り出し、多くの尊い命が失われた。学園構成員の皆様に、先の大戦での我々の行いの重みを改めて考えていただきたい」と呼びかけた。
閉会の挨拶で、木下委員長は「学生のみなさんは日本の行先を選択できる権利と責任を有している。ぜひ、平和と民主主義のために役割を果たしていく大人になってほしい」と話した。
今年は新型コロナウイルス感染症対策のため規模を縮小して行われた。集会の様子は立命館大学放送局YouTubeチャンネルで視聴できる。
また、不戦のつどい関連企画が、12月14日に大阪いばらきキャンパスで行われる予定だ。本学法務研究科の松宮孝明教授や経営学部の兵藤友博名誉教授を招き、学問の自由や日本学術会議の役割、科学・学術研究のあり方などについて勉強会が行われる。事前に申し込みをすればZoomで参加することができる。(鈴木)