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デジタルアーカイブジャパン・アワードを受賞 立命館大学アート・リサーチセンターとは

 8月25日、立命館大学アート・リサーチセンター(以下、ARC)が「デジタルアーカイブジャパン・アワード」を受賞した。この賞はデジタルアーカイブの利用を促す機関、個人を表彰するもので、ARCはその第1回目の受賞機関となった。今回の受賞を受け、衣笠リサーチオフィスの北波正衛(きたばしょうえい)さんに話を聞いた。

ARCの施設。衣笠キャンパス内にある。

立命館アート・リサーチセンターとは

 立命館アート・リサーチセンターは1998年に設立された研究所である。人類が持つ文化を後世に伝達するために、芸術、芸能、技術、技能を中心とした有形・無形の人間文化の所産を、歴史的、社会的観点から研究・分析し、記録・整理・保存・発信することを目的としている。その研究は、歴史地理情報研究・京都文化研究・デジタルアーカイブ技術研究・WEB活用技術研究の4つを基軸とした文理融合の研究構造が特徴である。

ARCの研究構造。文系・理系の多数の研究が関わり合っている。

 

 2000年代に入ってからは、文部科学省21世紀COEプログラム「京都アート・エンタテインメント創成研究」に採択され、伝統的な人文学と情報科学を連携させた日本文化研究を推進させた。2007-11年度文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」の採択、2014-19年度文部科学省共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」の採択を経て、2019年10月には、全国に7ヶ所ある文部科学省国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」(ARC-iJAC)(2019-24年度)に私立大学では唯一の認定を受けた。

修復作業の様子。

 

史料をデジタルアーカイブ化していく。

デジタルアーカイブジャパン・アワードについて

 デジタルアーカイブジャパン・アワードとは、デジタルアーカイブを用いた研究機関や団体、個人を表彰する賞であり、本年度が初回。本アワードは、デジタルアーカイブの拡充や利活用の促進に積極的に取り組むアーカイブ機関や、データを集約してジャパンサーチに届けるつなぎ役、そして活用者をはじめとしたステークホルダーを表彰するもの。し、その活動を広く社会に紹介しすることで、デジタルアーカイブが日常に溶け込んだ豊かな創造的社会の実現を目指している目的とする。詳細はジャパンサーチのサイトから確認できる。

受賞に対するコメント

 北波さんは「今年から始まった賞ということもあり、受賞の知らせが来た時は驚いた。国策としてデジタルアーカイブが重要視されている中、こういった賞を初回で受賞できたことは本当に誇らしい。長年やってきたことが評価されてきたのだなと感じた」と語った。また、ARCの国際的なつなぎ役としての活動が評価された点には「日本のことをもっと知ってもらおうというデジタルアーカイブ推進の政策のもと、莫大な量のデジタルアーカイブ研究・その利用促進を進めてきたARCは海外からも一定の評価を得ており、海外へ向けたプラットフォームとしてのARCが評価された」と話した。

今後の展望

 北波さんは「日本文化を伝えていくデジタルアーカイブ研究の面では、ARCはまさにパイオニア的存在。今後、大量の資料アーカイブを存分に活用する様々な手法を提案していく。デジタルアーカイブを通して文化を保存・発信などをするというポリシーのもと、国際的に活動を展開していくことが展望」とコメントした。

学生へ一言

「ARCは立命館大学を代表する研究機関の一つ。興味があればホームページを閲覧してほしい。申し込みが必要だが、気軽に施設に寄ってくれればありがたい」と北波さんは学生に対しメッセージを送った。

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