選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてからまもなく10年が経過する。しかし、若者の投票率の低下が止まらない。
総務省の発表によると、10月27日投開票が行われた衆院選にて、全体の投票率が53・85%と戦後3番目の低さを記録した。その中で、18、19歳の投票率は43・06%となり、前回の43・23%を下回った。若者の投票率の低下が深刻だ。
若者が投票に行かない背景として、政治に対する信頼が低い、政治に関心がない、投票したい候補者や政党がいない、自分の一票では変わらないと考えていることなどが挙げられる。
国民主権は日本国憲法の三大原則の一つであり、国民それぞれが選挙を通して主権を行使できる。しかしながらこの投票率の現状からは、主権者としての政治参画に対する意識が多くの若者に欠如していることがうかがえるのではないか。このままでは、投票率の世代間格差が広がり、民意を正しく反映できず、日本における政治の根幹である民主主義の崩壊につながりかねない。
国政選挙では、投開票日に投票所へ行けない人のため、名簿登録地以外の場所から投票できる不在者投票制度や、選挙公示日から選挙期日の前日までの期間に投票できる期日前投票制度がある。本学の取り組みとして選挙期間中に、衣笠キャンパスでは至徳館ショップ前に不在者投票を促すブースが設置され、びわこ・くさつキャンパスでは期日前投票所が設けられた。
選挙の目的は、自分にとってより良い代表者を選択することである。加えて、投票する自分自身のイデオロギーや政策課題に対する向き合い方を客観視できる貴重な機会でもある。その機会を自ら放棄してしまうのは非常にもったいない。
来年夏には参院選が控えている。今回行かなかった人や行けなかった人は、ぜひ投票所に足を運んでほしい。