12月23日に第10回創作漢字コンテストの受賞作品が発表された。「創作漢字コンテスト」は産経新聞社と本学白川静記念東洋文字文化研究所により主催されており、「100年後まで残る漢字を作ってみませんか」をテーマに各年の世相や生活を表す漢字一字を募集している。また、本企画は本学名誉教授の白川静生誕100周年を記念に開催され、今回で10周年の節目を迎える。今年はノートルダム清心中学校(広島市)2年生の竹町美香さんの「訓:かいようおせん、音:カイ」と京都市在住の安野知子さんの「訓:うれしすぎる、音:バンザイ」の2作品が白川創作漢字最優秀賞を受賞した。
今回、「かいようおせん」という漢字で最優秀賞を受賞した竹町さんは「近年、世界中で問題となっている海洋汚染に注目し、汚染の現状を考えさせるような漢字を創作した」と話した。また、「うれしすぎる」という漢字を創作した安野さんは「『喜』という漢字を躍動的にし、心からあふれ出る嬉しい気持ちを表現した」と語る。
今回最優秀賞を受賞した2作品について審査委員長の加地伸行さんは「構成を重視した伝統派である竹町さんの漢字とビジュアルを重視した安野さんの絵画派漢字が最優秀賞を受賞した。海洋汚染という世界的・時事的問題を表現した竹町さんの作品はすばらしい。安野さんの作品は令和時代を迎えたという歓喜を表すとも読み取れる」と最優秀作品を評価した。また、大学生に期待することとして「スマートフォンやパソコンの普及により、手書きすることが減った今、本企画のような漢字について考える機会は非常に重要である。大学生には学生の柔軟な発想力をはたらかせて実際に漢字を作ることで、日本の漢字文化に触れてほしい」と語った。(神野)