本学の正課英語プログラムであるPEPの一環として、自律走行型AIロボット「temi」を活用したオンライン国際交流を行う授業が実施された。生命科学部・薬学部で開講されている3回生向け必修科目「Junior Project 1(JP1)」で、本学の学生約600人とカリフォルニア大学デービス校(UCデービス)の学生らが参加したという。
本学は「スーパーグローバル大学創成支援(SGU)」事業に採択されており、今回の取り組みはコロナ禍で落ち込んだ国際交流を推進したい本学国際課の呼びかけにPEPが応えた形だ。JP1では、学生らがグループで学部専門の内容へ取り組むプロジェクトがあり、その内容をまとめたポスターを、学部の専門教員と英語教員のタッグで評価するセッションがある。今回は、このポスターセッションに「temi」を通じてUCデービスの学生がオンラインで参加し、発表者の学生と質疑応答を交わすなど活発な交流が行われた。
コロナ禍ではオンライン化や規模を縮小しての開催を余儀なくされたこの授業。4年ぶりの大規模開催となる今回は、当日までにさまざまな困難があったという。「temi」の準備に、BKC国際課のほか、本学と提携するNTTドコモの協力があって実現した今回の取り組み。PEPを担当する生命科学部の山中司教授は「たくさんの人を巻き込んでいける確信が持てた。今後は機器操作の環境やカリキュラムの改善に取り組んでいきたい」とさらなるアップデートに意欲を示した。同じくPEPを担当する生命科学部の木村修平教授は「会場は異様な盛り上がりで感動した。専門科目の教員からも肯定的なフィードバックが多数寄せられた」と当日の様子を振り返る。
本事業を支援したBKC国際課は、本紙のインタビューに対し「本学の学生が、通常授業の中で国際的な交流の機会を得ることができた」と今回の取り組みの意義について回答した。今後も、海外留学や国際交流によって得られる貴重な学びを一人でも多くの学生に提供していくべく、経済的な追加支援や広報活動などを含む包括的な施策に取り組んでいくという。
SGUの対象期間は2023年度まで。学内のDXピッチ予算も今年度で終了するなど予算確保に新たな課題も浮上した。木村教授は「今回の取り組みに留まらず、今後も新しいことを学生のために挑戦し続けたい」と展望を語った。今回の取り組みを含む、PEPの成果は2024年2月29日「教育開発DXピッチ」にて発表される。
(小野)
本学では、2023年度をポストコロナ海外留学再活性化の年度と位置づけ、コロナ禍により海外留学を経験できなかった学生を積極的に支援しています。コロナ禍への対応として、本学では通信環境などの基盤整備を積極的に進めた結果、このようなオンライン国際交流に取り組むことができたと言えます。今回、アメリカ、タイ、シンガポール、そして日本国内の外国人留学生などが参加し、地理的な制約を超えてコミュニケーションの多様性を実現できたことに鑑みると、今後もオンライン国際交流の重要性が増すと考えています。
一方で、実際に渡航し現地で学ぶことで得られる経験やネットワークがかけがえのないものであることも十分理解しています。昨今の円安や世界的な物価高、フライト費用上昇など、留学の妨げとなる経済状況を緩和するために、原則参加者全員に支給している立命館大学チャレンジ奨学金に加え、今年度は3万円の経済支援を受けることができます。この経済支援の実施にあたっては立命館大学校友会からもサポートをいただいています。是非この機会に、海外留学にチャレンジしてください。
【参考】海外留学特設サイト
https://www.ritsumei.ac.jp/profile/features/studyabroad2023/