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「夜のカフェテラス」20年ぶり来日 神戸で「大ゴッホ展」開幕、画業前半たどる【文化ガイド】

オランダを代表する画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90年)の作品約60点を集めた特別展「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」が20日、神戸市立博物館で開幕した。

クレラー=ミュラー美術館(オランダ)のコレクションから、ゴッホの作品57点のほか、ゴッホが刺激を受けたモネなどの作品17点が出品される。

《じゃがいもを植える農民》1884年8-9月、油彩/カンヴァス、66.4×149.6cm クレラー=ミュラー美術館
©Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands.

実直な農民の姿を題材とした初期の作品や、印象派に刺激を受けた明るい色彩の大胆な油彩画など、画業前半の足跡をたどる構成。油井洋明館長は「苦難に直面しながらも、絵画に幸福や希望を追求したゴッホの人生に思いをはせてほしい」と話す。

《夜のカフェテラス(フォルム広場)》1888年9月16日頃、油彩/カンヴァス、80.7×65.3cm クレラー=ミュラー美術館
ⒸCollection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands.

同展の中心は、20年ぶりに来日した「夜のカフェテラス」だ。ガス灯に照らされたカフェと夜空が、鮮烈な色彩対比で表現されている。塚原晃学芸員は「日本に来るだけでも奇跡的だ。夜景をカラフルに描いたのは当時としては非常に画期的だった」と説明した。

また、ゴッホ作品の鑑賞について「ゴッホが自分の言葉で綴った手紙が多く残されている。絵を眺めるだけでなく、手紙や関連資料を読むと作品を深く読み解くことができる」と話している。

《籠を持つ種まく人》1881年9月、クレラー=ミュラー美術館 ⒸCollection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands.

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阪神淡路大震災から30年を迎えた神戸での開幕後、来年は東日本大震災から15年を迎える福島県立美術館や上野の森美術館(東京)を巡回する。

会期は来年2月1日まで(月曜休館)。午前9時半~午後5時半(金曜と土曜は午後8時まで)。大学生1250円。

(小林)

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