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【特集】どうなる?学園祭-迫るリミット- 第2回 ステージ出演団体編 晴れ舞台とリスクの狭間で

「Everybody Has Talent」―今年度の立命館大学学園祭のテーマにはすべての参加者が自分らしく学園祭を楽しんでほしいという願いが込められている。しかし、その開催が危ぶまれている。春学期の卒業式や入学式などのイベントは中止され、例年学園祭に参加している多くの課外自主活動団体(サークルなど)も活動再開の目処は立っていない。
こうした状況の中、本紙は様々な視点から学園祭の在り方について特集する。

第2回では、昨年度の立命館大学学園祭のステージに出演したフラダンスサークル「Hawaiian Circle meahula」、よさこいサークル「京都チーム『櫻嵐洛』」の2団体に話を聞いた。

「活動の成果を発表したい」Hawaiian Circle meahula

代表を務める由良菜摘さん(国関3)によると現在、Hawaiian Circle meahulaでは新型コロナウイルスの感染拡大により、例年通りの活動はできず、対面での練習は行っていないという。さらに、大会にはサークル内の判断により不参加、イベントも中止・オンライン開催が相次ぐなど、練習の成果を発表する場が少ない状況。加えて、入部する1回生は例年に比べて大幅に減少。新入部員を対象にしたオンラインイベントを開催するも、オンラインでの交流の難しさを感じているという。
しかし、こうした厳しい状況でも、例年通り新しい曲の振りの練習に取り組んでいる。具体的には練習メニューを部員に共有し、インストラクターの方の動画を見ながら各自の家で練習に取り組んでいるとのこと。なお、現在の練習は学園祭に向けたものであるという。

Hawaiian Circle meahula

また、Hawaiian Circle meahulaにとって、4回生のラストステージであり、大きなイベントとなっているのが学園祭。部員の友人や家族に日ごろの頑張りを見てもらうことができ、感謝を伝える機会として思い入れのあるイベントであるという。さらにHawaiian Circle meahulaはステージの出演だけでなく、模擬店も出店しており、ハワイアン風揚げパンやスパムサンドなどを販売。由良さんは学園祭の取り組みについて「ステージでの演舞や模擬店を通して学園祭にハワイの風を吹かせ、来場者の方にハワイにいる気分になっていただきたいという思いで取り組んでいた」とにこやかに語った。

昨年のステージでのパフォーマンス

例年、学園祭ではパフォーマンス力を高めるために、4月から練習する振りを発表している。さらに夏休み・秋セメスターには学園祭に向けて本格的に週2、3回詰めて練習を行うとのこと。また、3キャンパスすべてのステージに参加し、ステージごとに衣装・曲・フォーメーションを変えるなど、来場者に楽しんでいただけるような工夫を凝らしているという。開催の是非が問われる今年度の学園祭については「学園祭が何らかの形で開催されることを期待している。大学生活での課外活動の成果を発表したい」と語る。さらに、もし例年通りステージ発表を行うことになった場合は、検討中ではあるが、1ステージの出演人数を調節するなど工夫して参加したいと明かした。

「学園祭は先輩との交流の場」 京都チーム『櫻嵐洛』

また、よさこいサークル「京都チーム『櫻嵐洛』」で代表を務めている高岡知輝さん(産社2)も、コロナ禍におけるサークルの在り方を模索している。現在、櫻嵐洛では新型コロナウイルスの感染拡大に伴って3月から活動を自粛しており、対面練習は一切出来ていない状態だという。また通常通りの活動ができていないことが影響し、入会する1回生は例年に比べて約80%減少した。さらに日本各地のよさこい祭りも中止が相次いでおり、今年度の演舞作品である「煌夜(かぐや)」は1度も観客を前にして披露ができていない。

昨年北海道で行われたYOSAKOIソーラン祭りでは迫力のステージを見せた

しかしそのなかで、新入生の獲得を目指した企画がオンライン上で行われている。その1つが、YouTube上の「櫻嵐洛Channel」にアップされている「さららじお」だ。新入生の獲得を目指すため、5月にサークルの上回生によって始められた。内容はサークル紹介や事前に新入生から寄せられた質問への回答などで、名前の通りラジオのような構成となっている。現在第5回までアップされており、今後も継続が予定されている。

またHawaiian Circle meahula同様、櫻嵐洛にとっても学園祭は重要なイベントだ。特に魅力となっているのは、カラフルな照明や派手な特殊効果を使用した華やかなステージ。昨年度は、衣笠キャンパスのメインステージで書道部とコラボしたパフォーマンスを行った。高岡さんも去年の学園祭を振り返り「振り付けを覚えるのは大変だったが、友達に見てもらえて楽しかった」と顔をほころばせた。

学園祭ステージ出演の様子

例年櫻嵐洛では、学園祭に向けた練習が9月下旬からはじまる。ただ今年は8月31日まで活動自粛することをすでに決定しており、練習が例年通り行えるかは未だ不透明な状況だ。また学園祭ではその年の作品に加え、過年度の作品も披露することが恒例となっている。そのため他のイベントと比べ、上級生と交流する機会や覚える振り付けが多いことが特徴だという。ステージ演出の打ち合わせなど学園祭特有の準備もあり、多方面への対応が求められる。
開催の是非が問われる今年度の学園祭については「例年通り開催されるならば3キャンパスとも参加したい。しかし現在の状況を考慮すると危険を冒してまでやるべきではないのではないか」と語る。もし例年通りステージ発表が行われる場合は、参加人数を減らすなどの感染防止策を取る予定だということも明かした。また、今年度の学園祭の動向が未だ示されていない状況については「状況をギリギリまで見極めたい気持ちも分かるが、開催するかどうか、どのように開催するかなどという情報を早く出してほしい」と訴える。

学園祭への熱い思いを語る高岡さん

取材を終えて

今回の取材では、晴れ舞台となる学園祭に対する熱い思いと同時に、コロナ禍だからこそ生まれるリスクに対し頭を悩ませている様子がうかがえた。イベントの開催是非が問われ、さまざまな思いが交差する今、学園祭のあり方が改めて問われている。(石渡・川村)

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