関西学生野球連盟の第6節(対近畿大)1回戦が6日、ほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区)であり、本学が1-0で勝利した。明日の13時から同球場で2回戦がある。(鶴)
リーグ屈指の好投手同士(立命館大ー坂本、近畿大ー村西)が先発した試合は、一発が勝敗を決した。0-0の3回表、3番井上浩輝(産社4)が右越本塁打を放ち、本学が先制する。「この日のために調整をしてきた」という立命先発の坂本裕哉(文4)は、強力近大打線を力で抑え得点を許さない。最終回には、二死2塁のピンチを招くも代打の内田を捕飛に打ち取り、虎の子の1点を守り切った。
一発で仕留める 井上浩輝 意地の決勝本塁打
「初球の変化球は外れた。次は直球が来る」
井上には自信があった。データでも村西は直球が多い。「外野の間を抜いて、長打になれば良いな」という思いを超えて、振りぬいた打球は右翼席に飛び込んだ。
この試合、唯一の得点を叩き出した井上は「練習から村西の直球をイメージしてきたが、その通りの球が来た」とはにかむ。今季の打率はここまで(第6節1回戦終了時点)でリーグトップタイの.414と好調を保っている。その要因を本人は「続けてきたことが形になったのかな」と分析する。
井上にとって納得のいくシーズンは今までなかった。3回生の春にレギュラーに定着するも、打率は低迷。(3回春.178、3回秋.154、4回春.186)
「ずっと試合に出ていたけれど、チームの足を引っ張っていた」という思いも抱えていた。苦しみながらもスイング起動の修正など試行錯誤を重ね、苦手な内角球を克服した。夏からは調子も上がってきた。そして迎えたラストシーズン。「周りに頼ってばかりではいけない。自分がチームを引っ張らないと」と自覚して臨んだ。その抱負通りの活躍をここまで見せている。出塁率は5割を超え、打率でも首位打者のタイトルが見えてきた。本人も「今が一番良い状態かも」と相好を崩す。
優勝に向けて、大事な試合が続く。有終の美を飾るために、もう勝ち点は落とせない。明日の試合に向けても「序盤で点を取って、有村を楽にしてあげたい」と自らを奮い立たせる。今季は井上が初めて「納得できるシーズン」になるだろうか。