第4議題では2020・2021年度分の学費提起及び2022年度以降の学費が協議される2021年度全学協議会の開催について協議された。本議題では学友会、大学院生協議会連合会、教職員組合からそれぞれ論点の提起がなされた。
学友会からの提起
学友会は今回の学費施策がこれまで、十分な協議・説明が大学側から行われておらず、「学費の重み」について考慮されていないため、反対の立場を表明。大学財政のあり方には理解を示したが、今年の学費値上げには教学・学生生活の議論が伴っていない上、『RS学園通信』に記載された学費提起の説明は、在学生・受験生・その父母らの誰もが理解、納得できないものであると主張した。山岸常任委員長は「学費提起は教学施策と共に行うことに意義があるが、今年は学費のみで考えられている。今後は常任理事会で決定する前に、各パートの意見を踏まえた学費提起を求める」と語り、今回の論点は2021年度全学協議会に向けたものであると説明。大学側に求める点は①2021年度全学協議会の議論の根拠となるよう、財政の可視化を行うこと②全学生が本学の財政施策と、教学施策やキャンパス整備の関係性について理解・納得できるような状態にすること③「R2030」をはじめとする中長期的な視点において、学費への依存度を下げる取り組みを具体化、確実に実行することの3点とした。
また、学費施策の協議に伴う教学・学生生活議論については、可視化を進めることで本学に入学した学生がどのように学び、活動し、成長したのか調査ができ、学生にとっても学びの実感に繋がるものであると主張。加えてそれらの調査をデータとして蓄積することで今後、発展的な学びや学びのアドバイスに繋がることから、学生の成長の可視化のために2つの論点を提起した。①正課・課外を単独で考えるのではなく、それぞれの取組みを可視化し、枠組みを超えてどのように連動していけるかを考えること②本学に入学した学生が、どのように学び、どのような活動を行い、どのように成長したのかを可視化し、データとして蓄積できる仕組みづくりを行うこと。
院生協議会連合会からの提起
院生協議会連合会は大学院の入学金が10万円引き下げられたことに加え、授業料は学費減免継続の上据え置かれたことを高く評価し、現行学費の継続及びキャリアパス推進制度の維持を求めた。
教職員組合からの提起
教職員組合は、RS通信における学費の説明は、現行の学費改定方式の継続を強調するばかりで、実際にいくら負担金額が増えるのか、値上げの詳細な理由が示されておらず、読み込まなければ同誌が学費値上げを提起する文書とは気づきにくくなっていると指摘。学費の重みに応えるものとしては不誠実であるとの認識を示した。また、今回の学費値上げがあくまで財政規模の維持が目的であり、増収意図がないとしても、学生にとっては明確な学費値上げであると主張した。
学費増の判断についてはこれまでの会議で説明されてきたが、学生や父母の立場に立てば、教学・生活環境に大きな変化がないにも関わらず、負担が増えるのかという点への理解に苦しむ可能性があるとした。また、現在の学生の生活実態を踏まえると、値上げはより慎重になるべきであると表明した。加えて大学から徴収する側の論理を繰り返し説明をされても納得感は得られないと指摘。実際に学費を支払う側の視点に立ち、学費の重みに応える説明を求めた。
学費の負担者に納得してもらいたい思いがあるのなら、以下の3点について真摯に回答することを求めた。回答を求める論点は①維持されるべき現行の教学施策や条件がいかに有意義な成果を挙げているのか②それらの維持の手段として学費値上げ以外の方法が選択されなかった理由③学生の生活実態に対する見解を示した上で、寄付金政策など学費への依存を軽減するための取り組みの現状と見通し、の3点と
した。