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京都の書店・誠光社 店主の選んだ本との出会い

河原町丸太町の交差点から細い路地に入ると、一軒の書店がある。本学OBの堀部篤史さんが店主を務める「誠光社」だ。堀部さんは京都市左京区の書店、恵文社一乗寺店で20年弱務めた後、2015年に自身で誠光社を立ち上げた。瓦屋根のこぢんまりとした建物の一階、木目調の本棚が並ぶ暖かい雰囲気の店内には本がずらりと並べられている。

店内に入ると、本が五十音順に並べられていないことに気付く。食文化や歴史など、テーマごとに分けられているからだ。恵文社時代から続く「編集型」の本棚である。欲しい本を「検索」するのではなく、堀部さんが「編集」した棚から本を手に取る。情報があふれる現代において、目の前にある情報を受け取るということの大切さを感じることができる。

誠光社の外観

通常の書店では売上データに基づいて取次ぎから配本され、余った本は返却する。しかし、そのような状態では、書店が主体性を持って本を選ぶことはできないと堀部さんは言う。取次ぎが間に入るために利益率は低く、薄利多売の様相を呈している。恵文社時代にその苦労を味わった経験から、誠光社では出版社と直接取引することにしたという。本を貸してもらうのではなく、買い取ることで利幅を上げることに成功した。一方で、取次ぎを通さずに直取引を前提とする出版社も増え始めているという。

店主の堀部篤史さん

お気に入りの喫茶店に通うように、客は誠光社の独自性に魅力を感じて足を運ぶ。堀部さんは「個人のお店は、その人の個性、キャリア、嗜好性、やりたくないことはやらない、そういうものに価値がある。資本がコピーしようと思ってもコピーできないものだ」と語った。

誠光社HP|https://www.seikosha-books.com/

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