2020全日本大学女子選抜駅伝競走(富士山女子駅伝)が12月30日、富士宮市と富士市で開催された。富士山本宮浅間大社(静岡県富士宮市)から富士総合運動公園陸上競技場(静岡県富士市)までの43.4km、7区間を21チームが走り抜けた。
本学女子陸上競技部は2時間27分00秒で3位となり、見事表彰台に立った。
気温10.5度、曇り空の下、浅間大社の鳥居前から選手らが駆け出した。4.1kmを走る1区は、距離が短いものの20mの高低差があるコース。各大学が主導権争いを繰り広げ、本学の西原愛華(スポ健1)は8位でたすきをつないだ。「悔しさはあるが、自分の出せるところを出し切った」と振り返った。
続く2区(6.8km)では主将を務めるエース飛田凜香(スポ健2)が6人を抜く好走を見せた。4.1km地点で宮内志佳(日体大1)をかわし4位に浮上。4.9km地点では吉村玲美(大東文化大2)、宮内を突き放して2位に浮上した。その後はペースを落とすことなく2位でたすきをつないだ。飛田は「区間賞を目標としていたので悔しい」としながらも「チームを押し上げる流れを作れた」と笑顔を見せた。
3区(3.3km)では御﨑舞(経済3)が2位を死守。飛田からたすきを受け取った時点で50秒あったトップとの差を45秒まで縮めた。「最初の1kmでペースを上げすぎて焦ってしまったのがもったいなかった」としたが「この2カ月で調子を上げてきたので、思いっきり走ることができた」と話した。
小林朝(スポ健1)も4区(4.4km)で2位をキープ。中継所前では苦しい表情を見せたが、冷静な走りで中田美優(スポ健4)へとたすきをつないだ。「2位スタートとなり、多くの選手が後ろから迫っていた。前だけを見て走ろうという気持ちで走ることができて良かった」と語った。
5区は10.5kmの最長区間。加世田梨花(名城大4)、鈴木優花(大東文化大3)といった各校のエースが集まった。中田は鈴木に背中を追われながらも、中盤まで譲らなかった。6.6km地点からは並走状態となり、6.8km地点で鈴木が前に出た。第5中継所では3位となったものの、区間2位となる好走だった。「後ろとの差が気になったが、思ったよりも気持ちを楽にして走ることができた。前半の子たちが頑張ってくれて、チームの団結力を感じた」と話した。
6区(6.0km)は田園地帯を走る直線コース。林ひかる(スポ健4)は3位を維持した。自粛が呼びかけられていたため、沿道での応援はほとんどなく孤独との戦いだったという。「1人でも走れるように練習をしていたが、気持ちの持ち方は難しかった」と振り返った。
最終区となる7区は8.3km。3km過ぎから厳しい登りが続く。松本美咲(経済4)は「他のメンバーが頑張ってくれたので、後は運ぶだけ」と最難関の区間を走り抜け、3位でフィニッシュした。
10月に行われた全日本大学女子駅伝対校選手権(杜の都駅伝)では惜しくも4位となり、本学女子陸上競技部は今大会で表彰台入りを目指していた。松本は「全日本で負けたことで、さらに強くなったと思う。去年から日本一を目指していたので、今後も頑張って欲しい」と後輩に期待を寄せた。
これまで力を入れてきた点について、主将の飛田は「個々の課題を見つけ、解決に取り組むことを大切にしてきた」とした。また自身については「チームを引っ張っていくため、自分の力を信じて強気でいくよう心がけた」と話した。「今回は3位という結果だったが、これからもっと強いチームにしていきたい」と意気込んだ。
29日の会見では「前半に若い力を、後半に安定感のある4回生を配置した」と話していた浅井明輝監督。「立命館なりのペースで走ることができた」と振り返り「2区の飛田、5区の中田が力を出してくれた。アンカーの松本も頑張った」と選手をねぎらった。これまでの取り組みについては「個々の選手が自分で考えて行動できるという学生本位の練習をしてきた。そういった意味では全員が上の段階に進むことができたのではないか」と話した。(鈴木)