本学はこのたび、文部科学省が実施する「スーパーグローバル大学創成支援(SGU)」事業の令和2年度中間評価においてA評価を受け「これまでの取組を継続することによって事業目的を達成することが可能」と判断された。
当事業は日本国内の高等教育の国際通用性・国際競争力の向上を目的に、海外大学との連携や大学改革により徹底した国際化を進める日本国内の大学に対して文科省が支援を行うもの。本学は「我が国の国際化を牽引するグローバル化牽引型大学」に採択されている。
本学が取り組む「海外大との連携」について全3回にわたって特集する。
今回は「国際関係学部ジョイント・ディグリー・プログラム」を取り上げ、国際関係学部事務室の浅岡健太郎さんにプログラムの特徴や意義について話を聞いた。
ジョイント・ディグリー・プログラムとは?
ジョイント・ディグリー・プログラムは、異なる国の2つの大学が1つのカリキュラムを編成し、共同で学位を授与するという高度な国際連携プログラムだ。本学国際関係学部がアメリカン大学と協力して2018年からスタートした本プログラムは、日米の大学では初、学部レベルでは日本初となる。学生は両大学の正規学生として4年間を過ごし、卒業時には両大学共同で1つの学位「学士(グローバル国際関係学)(BA in Global International Relations)」が授与される。アメリカン大学は、国際政治の中心都市であるアメリカの首都ワシントンD.C.にキャンパスを構え、130の国と地域から留学生が集う名門私立大学だ。1963年の卒業式ではケネディ大統領がキャンパス内で「平和の戦略」の演説をするなど、歴代の大統領が訪れる大学としても知られている。
「本学の国際関係学部には『2つのカリキュラム・異なる専門分野を学び2大学の学位を取得する』というデュアル・ディグリー・プログラムがあり、アメリカン大学とは20年以上提携を結びプログラムを運営してきた。両大学の長期間に渡る深い連携や信頼関係があってこそ、実現できているのがこのジョイント・ディグリー・プログラムだ」と浅岡さんは語る。
2大学の学生として過ごす4年間
ジョイント・ディグリー・プログラムでは両大学が共同で作った1つのカリキュラムのもとで「グローバル国際関係学」を学ぶ。国際関係学の様々なトピックにについて日・米の両視点から学ぶことができるのが強みだという。
また学生は本学とアメリカン大学の学生として4年間を過ごすため、入学時から両大学のシステムからのサポートを受けられる。「たとえば就職活動の支援。アメリカでは現地のインターンシップ参加などアメリカン大学のキャリアセンターのシステム・サポートを活用しつつ、日本国内での就活の支援は本学のキャリアセンターのサポートをアメリカ滞在中も利用することができる」と浅岡さんは語った。
コロナ禍でのプログラム「学びを止めないようにできている」
本プログラムでは、本学の学生は例年2回生の秋セメスターから4回生の春セメスターまでの2年間をアメリカで過ごす。しかしここ1年間は新型コロナウイルスの影響で現地渡航ができていない状況である。浅岡さんは「コロナでもオンラインを活用し、学びを止めないように進められている。ただ、アメリカン大学はZoomでのライブ授業が多く、13時間という大きな時差の影響で学生たちは昼夜逆転の生活にならざるを得ないのが負担になってしまっている」と現在の学生の状況を話した。ラーニングスケジュール(留学時期)をずらしたり、休学をしたりしている学生もいるという。「現地渡航をあえて遅らせたり、休学をしたり、オンラインで学修を継続したりと学生が個人の事情に合わせていろいろな選択肢を取ることができるのも両大学で深い連携をしている本プログラムならでは」。
これからの展望
「まずはジョイント・ディグリー・プログラム本来の学びあいを取り戻したい」と、浅岡さんはこれからの展望について語った。「2つの大学の学生が互いのキャンパスで交流しあい、プログラムの良さを学生たちに味わってほしい。授業や課外の活動が現地でできるような状況にできるだけ早く戻ることを願う」とコメントした。
(坂口)