立命館大学学友会(以下、学友会)の総合施策を担い、かつ学友会の最高議決機関である「中央委員会」を運営する中央常任委員会の役員を決める「2022年度中央常任役員選挙」が、1月7日と1月13日に行われた。
選挙の結果、中央常任委員長には石川寛太さん(映像4)、中央常任副委員長には大道寺諒さん(文4)、生駒竜也さん(理工4)、森本晴絵さん(経営3)、学園振興委員長には吉田龍太さん(文3)が選ばれた。中央事務局長には石倉綜馬さん(法4)が選ばれた。
2022年度の学友会を運営していく6人にこれからの活動について聞いた。
本学の全学生により構成される学友会は「日本最大の学生自治組織」である。
中央常任委員長 石川寛太さん
石川さんは、中央常任委員長としての役割には3つあるとした。1つ目は「学友会員である学生にどう還元していくのかを考えること」、2つ目は「学生が持っている課題について、その解決のために全学行事などの諸活動を通じて動くこと」。そして3つ目は「学友会という会の代表として、中央委員会や大学側との各種懇談会の場を通じて組織を適切に維持・運用していくこと」と述べた。
「中央常任委員長という役職は、何でもできて何もできない」と話す石川さん。物事を進める方向性を決めることはできても、それらを実際に行動へ移すのはひとりではできないという。「代表として舵取りをしながら適材適所に人を配置し、自らも活動していきたい」とした。
中央常任副委員長 大道寺諒さん、生駒竜也さん、森本晴絵さん
大道寺さんは「常任副委員長は常任委員長の補佐であるので、具体的に何をするかは決まっていない。だからこそ個人の裁量によってどれだけその役職が生かせるかが変わってくる」と自身が務める役職について話す。また「今年度は常任副委員長が3人いるため、自分の個性が出せる役職であると考えている」とも語った。
大道寺さんは「戦略・企画室」という、今年度新たに設けられた部署にて主に活動する。本部署では全学行事に伴う広報活動や関連イベントの企画を行う。また、人手不足という学友会が持つ課題の解決へのアプローチについて「学友会で活動を一緒に行う人材を集めることも同部署で行っていきたい」とした。
生駒さんは会計監査委員長、そしてグローバル教養学部自治会設置のためのサポートを行うという。また「常任委員長の補佐という役割について言えば、常任委員長が絶対にやらないといけない業務に集中できるように、常任委員長がやりきれない業務を代わりに行えるような役割が担えたら」と語った。
森本さんは「常任副委員長として、自分の周りで一緒に活動を行う人に少しでも楽しんでもらえるように動きたい」と述べた。また「自分は常任委員会の役員であるとともに皆さんと同じ『学生』でもある」とし、学生の気持ちに寄り添った活動をしていくと語った。
学園振興委員長 吉田龍太さん
学園振興委員長は学園振興委員会を統括し、中央委員会や常任委員会の政策活動を担う。昨年度、6年ぶりに選出された役職であることから吉田さんは「今年度はまず、学園振興委員会がどのような立ち位置であるべきかを考えることから始めたい」と語った。また、学友会の政策立案を行う学園振興委員会という組織として「常任委員会を補佐する、そして学友会を俯瞰的に見る組織として活動できたらと思う」と今年度を見据えた。
中央事務局長 石倉綜馬さん
石倉さんは「中央事務局長は、お金の処理や課外活動団体への支援など実際に手を動かす役職。学生が活動をする現場を見る事務局長として俯瞰的に活動を見て、どうすれば現場の状況を良くできるかを考えていきたい。課外自主活動団体とのコミュニケーションを通して、学生が活動しやすい環境を作りたい」とした。
公開全学協議会に向けて
今年度は、昨年度から延期された「公開全学協議会」(以下、全学協議会)が開催される。全学協議会は、学友会の活動内容のひとつである、学生の声を大学へ届ける「要求実現運動」の最たる場であると位置づけられている。
全学協議会に向け、石川さんは「自分は学友会の代表として、意見や発言を求められる立場にある」とし、学生の今の現状や意見を、学園の責任者に「伝える」ことが必要だと語った。「どんなことを伝えるべきか、学生にとっての『最大幸福』とは何かについて考え、大学側へ向けた発言がしたい」と意気込む。
吉田さんは「学生の意見をくみ上げるアンケートについては今年度も実施する。得られた結果から学生がどんなことを思っているのか、どんなことに困っているのかなど学生の気持ちをいかに引き出せるかにかかってくる。浮かび上がってきた気持ちに寄り添うことに力を入れたい」とし、学生に対しては「自分たちが大学に対してどう思っているかをアンケートを通じてぶつけてきてほしいと思う」と呼びかけた。
学友会の課題、解決のためどう動く
現在の学友会について石川さんは「課題を挙げると切りがない」と話す。「まず、学友会の『組織』としての維持が難しくなっている。また、この事態について理解している学生がとても少ない。もし学友会という組織がなくなったら、今ある学生が持つ権利が失われてしまうことの危機感をほとんどの学生が持てていない」とし、学生の学友会に対する当事者意識のなさにも警鐘を鳴らす。
「今までしてきたことをやりつつも、これまでとは異なるアプローチをしながら中長期的な目をもって活動したい」と石川さんはこれからの展望について述べた。また「学友会という組織がなくなったときのリスクを理解している学生を1人でも増やしたい。また、学友会という組織を維持できるための、人が集まるような環境を作りたい」とした。(坂口)