1月29日に秋学期が終了した。今年度は新型コロナウイルスの影響により、Web授業の実施や課外自主活動の制限など、大学生活が激変した。様々な変化を受け、学友会の瀧谷吏玖中央常任委員長(経営4)と田沼直也中央事務局長(産社4)に今年度の教学や学生生活についての評価を聞いた。(石井)
今年度の授業をどう評価するか?
瀧谷委員長:春学期はWeb授業の試験運用的な意味合いが強かったと思います。学友会としてはWeb授業のメリットや課題を大学と協議しました。それを受けて秋学期からは対面授業の再開やWeb授業の課題を改善がされたので、新しい授業の形を模索できた1年でした。しかし、対面授業だからこそ得られるメリットもあるので、来年度以降もWeb授業が継続されるのであれば大学側にしっかりとそれを伝えていかなければならないと思いました。
田沼局長:春学期は不十分だったと思います。秋学期は一定の改善は見られたものの、対面授業の重要性について考えさせられました。Web授業では横の繋がりを形成しづらいです。
また、対面授業が実施されないことでキャンパスから学生がいなくなります。授業の合間に学生が食堂や図書館に行くこと、これらにも一定の重要性があると思います。
春学期に不十分だった点や秋学期に改善された点は何か?
瀧谷委員長:春学期は授業の質が問題でした。大学と協議して、たとえばレジュメを配布するだけの授業などは秋学期には改善されたかと思います。その他には動画の収録・配信システムである「Panopto」の導入やPC用のマイクの購入などもされました。
学友会として対面授業の全面再開は要求していないか?
田沼局長:感染拡大防止の観点からすべての授業を対面で行うことは難しかったと思います。しかし、キャンパスに通学することで得られるものもあると思うので、Web授業と併用する形で対面授業を再開することを大学側と協議しました。
学生からWeb授業を肯定的に捉える声もあったか?
田沼局長:Web授業も一定の満足度がありました。例えば、通学時間が長い学生や、障害があり移動が大変な学生などにはメリットがあったと思います。
(参考:2020年春学期全学学生アンケート)
学友会からの主張を踏まえて改善されたことはあるか?
瀧谷委員長:全学アンケートでは授業のフィードバックがされていないという意見が非常に多く挙がりました。学友会としてもテストや課題を出すだけの授業はやめるように要望し、教学部からも教員にフィードバックをするように求める指針が出されました。他には課題の量が多いことについても指摘しました。
また、春学期はキャンパスに入れないことによって実験や実習ができないこともありました。大学と協議し、日程を遅らせて実施することや、キットを配布してオンラインでも行えるようになりました。
春学期の授業をどう総括するか?
瀧谷委員長:学費の面で考えれば否定的な捉え方になってしまうが、学園全体の未来について考えると、オンラインを急速に拡大させて未来に繋げていったことは進歩だったと思います。
田沼局長:特に新入生にとっては人生で一度しかない初めての大学の学期が失われました。初めて受ける大学の授業の衝撃などはWeb授業では味わいづらく、新入生の期待には応えられなかったと思います。未来を見据えればよかった点はありますが、大学には今の学生の状況を認識してほしいです。
コロナ禍の大学側の支援をどのように評価するか?
瀧谷委員長:最低限の支援は大学の役目を果たしましたが、それが十分であったとは思いません。例えば、課外自主活動に関する支援について、本学の学生育成目標には正課・課外を通じて育成を目指すことが書かれています。それにも関わらず課外活動を止め、再開へ向けた支援への動き出しが遅かったです。
学生交流の面では1回生がコミュニティーを形成できなかったですし、鬱になってしまう学生を生み出してしまった点では支援は不十分でした。
田沼局長:現金給付など、支援の金額は国内では比較的多額でしたし、図書館の郵送サービスなど初動が早かったので一定の評価はできると思います。しかし、課外活動支援には不満が残ります。団体の再開の判断が不透明でしたし、基準が明確ではありませんでした。
今年度の課外自主活動をどう総括するか?
田沼局長:課外自主活動団体の発表の場が喪失されたことや、そのような場がなく引退された方々については非常に残念です。中央事務局として何かしらの支援ができたのではないかと思います。
瀧谷委員長:満足のいく形ではなかったです。課外自主活動で得られる成長は人と関わってこそだと思います。オンラインでのコミュニケーションが中心となったことにより効率化はされたものの、活動以外の部分を話し合う機会が少なかったため、交流を深められなかったのではないかと思います。
課外自主活動団体の活動再開についてどのように考えるか?
瀧谷委員長:大学に申請をしなければ活動を再開できないことについては、学友会として決して良いことだとは思いません。一方で学生の身を守らなければならないという観点から、一定の厳しい条件を課すことは理解できます。しかし、その申請基準で「今するべきなのか」という基準は学友会として反対を表明しました。今必要だからではなく、継続して活動するからこそ得られるものがあると思うので、そのような基準に改めるように要求しました。
今年度新たに行った「特別支援事業」についてはどのように考えているか?
田沼局長:これまでに特別事業部などが培ったスキルや経験を生かせた場だったので評価します。しかし、オンラインでの支援は対面と連動しないと難しいと感じました。キャンパスにいれば受動的に情報が入ってくるのとは違い、オンラインでは主体的に探さなければいけません。学友会員はどのような支援があるのかを認知するのが難しいですし、認知できなければ支援にありつくことができません。オンラインと対面を上手く結びつけられるかが今後の課題だと思います。
来年度の学友会に期待することは何か?
瀧谷委員長:新歓活動をしっかり行うことです。今年度はウェルカムフェスティバルが中止になるなど、新入生を歓迎するムードを形成できなかったことが反省点です。対面でもオンラインでも良いのでしっかりと形成してほしいです。それに関連してオリター・エンターには充実したピアサポートを行うことを期待します。
来年度は全学協議会があります。たとえば、Web授業のメリット・デメリットや、学生生活を送る上で困っていることをしっかりと学生目線で伝えてほしいと思います。全学協では大学から学費改定の提起がなされます。大学としてなぜその額を徴収するのかの説明を求めてほしいです。
それらをしっかりとまとめて、来年度は運営してもらえれば良いと思います。
田沼局長:1年前はコロナ禍を想像することはできませんでした。4月にいきなりキャンパスが閉鎖され、初動が遅れてしまったことは否定できません。しかし、来年度の主体者は今年度よりは予想できると思います。また、今年度の経験からオンラインを活用することにはある程度慣れているはずです。今年度感じたメリット・デメリットをよく考えながら活動してほしいです。