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寺町京極|商店街美術館 作品が商店街を彩る【文化ガイド】

「寺町京極|商店街美術館・学生コラボレーション展2023」〈後期〉が、昨年12月1日から1月21日にかけて寺町京極商店街(京都市中京区)にて開催された。本展は、同商店街の振興組合によるアートプロジェクトの第4弾。商店街のアーケードに学生が制作した展示品がつり下げられ、商店街を彩った。

多くの人でにぎわう寺町京極商店街=2023年12月16日、京都市中京区

「寺町京極|商店街美術館」は、商店街を舞台にしたアートプロジェクト。商店街を美術館に見立て、商店街を覆う屋根の天井から作品をつるして展示している。商店街という多くの人が訪れる公共空間に作品を展示することで、「人」と「芸術・文化」が出会う場となっている。

同商店街のシンボルとなっている「巨大提灯」=12月16日、京都市中京区

同組合の理事・菅真継さんは、アートプロジェクトの目的として「他の商店街との差別化を図ること」を重視していると話す。作品の展示を通じて他の商店街との違いをつくり、商店街としての空間自体の価値を高めることを目指している。

同組合理事の菅真継さん=12月16日、京都市中京区

また、学生が作成したパブリックアート作品の展示に関して「学生にとって作品を見てもらうという貴重な機会になってもらえれば」と菅さんは語る。パブリックアートとは、美術館やギャラリーではなく、広場や駅といった公共空間に置かれた芸術作品のこと。菅さんは、学生にとってギャラリーを借りるのはお金がかかり難しいと指摘した上で「こういった機会があることで、若い人が育って、世界に羽ばたいていってもらいたい」と話した。

鮮やかな作品が商店街を飾った=12月16日、京都市中京区

そして、現在、学生とコラボレーションした作品の掲示が再び予定されている。申込は3月31日まで。作品は、同商店街のアーケード内にて10月1日から11月30日にかけて展示される。本企画には、2024年現在の在校生、または2024年度に卒業・中退した人であれば誰でも応募することができる。作品制作の費用は同商店街が最大15万円の負担を予定しており、学生がパブリックアートの製作・展示を経験できる機会となっている。詳細は同商店街美術館公式サイトにて確認できる。

作品募集についてのパンフレット(同商店街美術館提供)

また、西陣の引箔(ひきばく)職人である西山大介さんによる引箔のアートボード作品の展示が2月1日から3月27日にかけて行われている。引箔とは、和紙に箔(はく)を施し模様を付け、裁断したもの。菅さんは「この展示を通して京都の伝統工芸に少しでも興味を持ってくれればうれしい」と展望を語った。

(吉江、小林)

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