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Adobe社オリジナルワークショップ 外資系製薬会社顧客に見立て

本学は2023年12月26日、アドビ株式会社(以下、Adobe社)と共同で「SDGsの社会課題をクリエイティブシンキングで解決する力を身につける」ワークショップを開催した。本イベントは、9月に締結したAdobe社との連携協定に基づくもの。当日は12学部4研究科から計50名の学生らが参加し、グローバル製薬企業のベーリンガーインゲルハイム社(以下、ベーリンガー社)の協力のもとリアルな医療課題に取り組んだ。

当日、コーヒー・紅茶と軽食が一人ひとりに用意された

ワークショップの様子

ワークショップ当日、製薬会社であるベーリンガー社から課題や周辺知識が提供され、その後Adobe社の進行で課題解決に向けた議論や画像生成AIを活用したプレゼンテーションに取り組んだ。

ベーリンガー社から、製薬会社として現実に直面している課題が提供された

冒頭、ベーリンガー社より健康診断や病気と向き合う架空の家族が設定され、ペイシェントジャーニー(患者が病気を認知し、医療サービスを受けることで経験するあらゆる接点の工程)が共有された。提供された設定や家族像などを基に、ペイシェントジャーニーの中の「何が課題だったのか」について、デザイン思考を活用した課題マップ、ペルソナ、「How Might We」といった思考のフレームワークで情報を整理しながら各グループでディスカッションが進められた。ワークショップ中には、ベーリンガー社社員によるアドバイスやAdobe社スタッフのサポートが受けられ、参加者らは思い思いに発想を広げ提案に落とし込んでいた。

ベーリンガー社の社員にアドバイスを受ける参加者ら

こうした現実的な医療テーマに取り組むことや、画像生成AIを活用することが初めてだという参加者が多い中、限られた時間で成果物を作成することが求められた本ワークショップ。各グループは、画像生成AIを活用した成果物を基に、テーマを提供したベーリンガー社へ向けてプレゼンテーションを行った。同じテーマに対してでも、視点やアプローチが異なる多様な発表が見られた。

参加者によるプレゼンテーションの様子

発表後は、選考を経てベーリンガー社からビジネスアワードと、Adobe社からクリエイティブアワードが贈られた。いずれのグループも、事前情報に基づきながら柔軟な発想と自由な表現を用い、各個人の視点を高いクオリティで連携していたことが評価された。

背景

本イベントが開催された背景には、2024年4月に映像学部・研究科と情報理工学部・研究科が大阪いばらきキャンパス(OIC)へ移転するのに合わせた「OIC新展開」がある。これは、デジタル&クリエイティブの融合を通じた教育と研究の発展に取り組む「あらたな学びの創造」を実現するためのTRY FIELDをキーワードに整備するというもの。この一環で、本学は「Society 5.0 時代における新たな価値創出を担う人材」の育成を目指し昨年の9月にAdobe社と連携協定を結んでいる。本イベントは、この協定に基づき提供された。
イベントに先立って挨拶した三宅 雅人教授(OIC総合研究機構・総合企画室副室長)は「現代社会の変化に対応するためには、個の知識や経験だけではなく、異なる専門性の連携が不可欠だ」と指摘。創造性と課題解決能力の涵養に向けた本イベントが「失敗を許容する環境」である点を強調し、挑戦を期待する姿勢を示した。

イベント冒頭で挨拶する三宅雅人教授
取材メモ

Adobe社との連携協定の締結に際し、本学園の仲谷善雄総長は「大学は失敗できる環境である」とした上で「どんどん挑戦してもらいたい」と発言した。

協定締結の様子はこちら→Adobe社と連携協定を締結 人材育成プログラム共同開発へ

参加者コメント

イベントに参加した学生からは「考えたことのないテーマだったが、社会のリアルな課題に触れられて良かった」といった声や「画像生成AIを活用したプレゼンテーションが難しかったが、(Adobe社による)サポートもあってアイデアを形にすることが出来た」といった感想が寄せられた。

受賞チームからは笑みがこぼれた

またディスカッションの様子を見つつ最終発表で審査員を務めたベーリンガー社の社員は「興味を持ってもらえるかなと心配していたが、想像以上に前向きに取り組んでもらえた。驚きとともにうれしく感じた」「初対面の人と協業できるスピード感と、その結果出てきたアウトプットのクオリティに驚いた。発表後、フィードバックを求める学生もいて高い学習意欲を肌で感じた」とワークショップを振り返った。
さらにAdobe社のスタッフからは「初めて使う人も多い中、使いこなせていたことに驚いた。今後も積極的に使っていってほしい」と期待を寄せる声が上がった。
(小野)

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