本学衣笠キャンパスで5月31日、京都市北西部の衣笠地域を巻き込んだアートイベント「第2回KINUGASA ART VILLAGE FESTIVAL(衣笠アートヴィレッジフェスティバル)」が開かれた。

オープニングセレモニーでは書道部が書道パフォーマンスを披露した

開会宣言には▽西脇隆俊・京都府知事▽松井孝治・京都市長▽北野天満宮の禰宜(ねぎ)の東川楠彦さん▽仁和寺の瀬川大秀・門跡▽学校法人立命館の仲谷善雄総長▽本学の小川さやか副学長▽本学学友会の岡田大輝さん(文4)―― が登壇。テープカットで衣笠アートヴィレッジフェスティバルの幕を開けた。

壇上に上がりテープカットを行う一同

ステージパフォーマンスの最後を飾ったのはチアダンスサークル「BLENDERS」。「笑顔と勇気を届けます」というメッセージのもとチアダンスやアイドルコピーダンスを披露し、観客を沸かせた。

決めポーズをとるBLENDERS

本学によると、来場者数は約1万3000人だった。学生のほかに家族連れも多く訪れ、アートを楽しんでいた。

閉会式では記念撮影が行われた

■隈さん、秋元さん 特別講演で学生にエール

デザイン・アート学部と同研究科の開設を記念して、建築家の隈研吾さんと作詞家の秋元康さん(いずれも本学客員教授)が特別講演に登壇した。

隈さんは、国内外でさまざまな賞を獲得した世界的な建築家として知られる。今回、隈さんは「創造と空間の未来―建築・デザイン・社会をつなぐ思考―」をテーマに講演した。講演では自身が手がけた作品や設計時の思いについて話した。

20世紀は強く大きく建てることを重視する「勝つ建築」の時代だったという。隈さんは、地方での仕事が重なったことから「これからは地元に密着した仕事が良いのではないか」と考え始め、周囲の環境に調和した「負ける建築」という建築思想に至った。その経験から若者へのメッセージとして「自分は何か、と考えることが大事。クリエーションには反骨精神が大事だと思っている」と語った。続けて「お金ではなく情熱のある人間が最後に何かを成し遂げられる」と学生にエールを送った。

講演会の最後には、平山聖輝さん(デザイン・アート学研究科M1)が隈さんに花束を渡した。

平山さん(左)から花束を受け取った隈さん(右)

テレビ番組やラジオなど多様なプロデュースや数多くの作詞を手がける秋元さんは、「人間力とは?」と題して講演を行った。秋元さんはこれまでの経験から「人間力とは自分に決して嘘をつかず人間らしいということ。魅力的な人には人間力がある」と話した。その上で「自分らしさを出してほしい。これが必ず魅力になる」と語った。

秋元さんは学生に向けたアドバイスとして「全てはきっかけだ。世の中にはいろいろなきっかけが転がっている。きっかけに気付くことから人生は始まる」と話した。

講演の最後には「社会をどうデザインしていくか、楽しみにしている。この中から再会できる人が多く出てくると思うのでぜひ頑張ってほしい」とデザイン・アートを学ぶ学生にメッセージを送った。

人間力について語る秋元さん(立命館大学提供)

■衣笠万博 新入生の独創性花開く

諒友館では新入生がクラスごとにさまざまな展示を行う企画「衣笠万博」を実施。新入生が制作したお化け屋敷などの体験型企画や裁判所を再現した「ミニチュア裁判所」など、独創性あふれる展示が披露された。

法学部のあるクラスは自作のタロットカードを用い、来場者を占う企画を行った。企画を担当した山下雄大さん(法1)は「占い結果は良いこともあれば悪いこともある。お客さんにそれをどう伝えるかが難しい」と話した。

タロットカードを使って占いをする山下さん

■グリスロ活用 本学団体、仁和寺ガイドツアー

真言宗御室派総本山・仁和寺(京都市右京区) では、時速20キロ未満で走行する小型電動車両「グリーンスローモビリティー」(グリスロ) で境内を巡るガイドツアーが行われた。

ツアーでは、ヤマハ発動機の位置情報サービス「Mobilit.E.S(モビリテス)」 を活用して開発した音声ガイドが使用された。ガイド音声の制作とグリスロの運転は「立命館大学神社仏閣ボランティアガイド」 の学生が担った。

同団体の代表を務める安野幹人さん(文4)によると、ガイド音声は天候や行き帰りに応じて自動で切り替わる仕組みだという。安野さんは「朝から乗車希望が多い。15時時点で数十人の方に利用していただいた」と手応えを口にした。

グリスロを運転する安野さん

安野さんは感想として「足の不自由な高齢の方がグリスロのおかげで(入り口から遠い)本堂へ参拝できた事例も今日はあった。移動が困難な人々への支援や仁和寺の魅力発信として、非常に意義のある取り組みだと実感している」と語った。

■充光館で展示 衣笠キャンパスの変遷辿る

充光館のDA Gallery(デザイン・アート・ギャラリー)では「立命館衣笠キャンパス―その歴史と未来」展が開かれた。1939年の誕生から現在に至るまでの衣笠キャンパスを、当時の写真や青焼図が貼られたパネルで紹介。本キャンパスの変遷を建物配置から5つに分け、衣笠球場や学生会館の建設などの変化を区分ごとに立体図として見ることができた。

展示用に作られた以学館の模型

同展を企画したデザイン・アート学部の木村智准教授は「建築学科の人としては誰が、どういうことを考えて作ったのかというのは知りたい。自分も少し研究していて、衣笠キャンパス版でもやってみようと思い、プロジェクトを立ち上げた」と説明した。

(星野、矢野、安田、松山)