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猫の擬人化を描く「もしも猫展」 京都文化博物館にて開幕【文化ガイド】

擬人化表現を含む浮世絵などを集めた「もしも猫展」(京都府、京都文化博物館、読売テレビ主催)が9月23日、京都文化博物館(京都市中京区)で開幕した。本展では猫好きとして知られる浮世絵師・歌川国芳によって描かれた猫の擬人化作品を中心に、100件を超える作品が展示されている。22日には一般公開に先立って報道関係者向けに内覧会が行われ、関係者らは作品の数々に見入った。

展示作品を見る報道関係者ら=22日、京都市中京区

「もしも猫展」は名古屋市博物館の学芸員である津田卓子さんが企画。展示されているのは名古屋市博物館の所蔵作品を中心とした、猫の擬人化作品など135件。全5章に分けられており、猫の擬人化作品と国芳の表現の魅力に迫る構成となっている。

歌川国芳 「猫の百面相 忠臣蔵」 個人蔵 (「もしも猫展」広報事務局提供)

第4章は「人、猫になる」と題され、国芳が描いた団扇(うちわ)絵「猫の百面相」など、当時の歌舞伎役者を猫に見立てて描かれた作品が展示されている。津田さんは消耗品である団扇絵が現存している点について、この絵が猫や役者が好きな人々に親しまれ、大切にされたからだろうと推測。作品には絵を読み解く面白さがあるとし「好きな役者が猫になっているという面白さが当時あったことを感じながら見てほしい」と話した。

歌川国芳 「流行猫の曲鞠」 個人蔵(「もしも猫展」広報事務局提供)

また本展では、人のような愛嬌のある猫の姿、国芳の機知に富んだアイデアの2つが見どころとして掲げられている。国芳が描いた「流行猫の曲鞠(きょくまり)」では鞠を蹴る人々が「擬猫化」されており、猫となった様子が描かれている。津田さんは作品左上の猫が木に爪を立てている点に着目。こだわりぬいたユーモアがあるからこそ飽きずに国芳の作品を眺めることができると、展覧会図録『もしも猫展』の中で述べている。

今回展示された作品について津田さんは「150年も昔の作品で古臭いと思われるかもしれないが、斬新なアイデアで見る人を楽しませようとしている」と紹介。「絵の中のアイデアの面白さを見てほしい」と学生に呼び掛けた。

「もしも猫展」は京都文化博物館の4階・3階展示室にて開催されている。会期は11月12日まで(休館日は毎週月曜日)。開室時間は午前10時から午後6時まで、金曜日のみ午後7時30分までとなる(入場は閉室30分前まで)。入場料は大学生の場合1人千円。

(加藤、小林)

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