将棋の藤井聡太竜王に佐々木勇気八段が挑む、第37期竜王戦七番勝負の第3局の大盤解説会が26日、本学園朱雀キャンパスで開かれた。対局で藤井竜王が佐々木八段を破ると、会場はどよめき拍手が送られた。

対局は25日から京都市右京区の仁和寺で行われており、解説会は対局中盤の26日午前11時から始まった。
北浜健介八段が解説、長谷川優貴女流二段が聞き手を務め、指し手の狙いや戦局の変化、今後の展開を大盤で駒を動かしながら解説。集まった観客約430人は、対局の動きを見守った。

解説会には、立会人を務める現役最年長棋士・福崎文吾九段や、新聞解説を務める畠山鎮八段が、対局会場からゲストとして駆けつけた。冗談を交えた解説で、参加者の笑いを誘う場面もみられた。

対局は、佐々木八段がテンポ良く駒を進めるのに対し、藤井竜王は時間を費やしながら指し、佐々木八段が藤井竜王を押す展開で進んだ。
その後の藤井竜王の▲5三歩成の一手が光り、双方油断ならない複雑な局面に。▲4一角打、▲5四角打の妙手で攻め入った藤井竜王が、99手で佐々木八段に競り勝ち、シリーズ成績を2勝1敗とした。

また、対局会場や解説会場では、本学の将棋研究会から複数人がスタッフとして参加した。
将棋研究会は、富士通杯、全日本学生将棋団体対抗戦の連覇を目標に活動している団体。将棋大会の開催など子どもへの将棋普及にも取り組んでいる。
解説会に関わった同会の松浦隆真さん(文2)は「趣味の将棋で社会貢献できたことは、貴重な経験でうれしかった」と振り返る。
また、森本朗さん(文1)は「将棋が皆に愛されていることを実感できた。改めて普及活動を頑張りたいと思えた」と意欲を見せた。
(小林)