副首都法成立 「地方支分部局の強化を」 森裕之教授
7月に「副首都構想」関連法が国会で成立し、10月30日に施行された。同法の成立を受け、複数の道府県が副首都指定を目指している。
同法では、副首都を▽一定の期間、政治・行政・経済の首都中枢機能を代替する機能▽多極分散型経済圏の形成の中核となる機能――などを担う道府県と位置付けている。こうした副首都機能の整備を進めることで、大規模災害などの発生時に東京圏における首都中枢機能の維持や東京への一極集中を是正する狙いがある。
今月3日には、同法に基づき副首都の指定要件に関する法律施行令等案が公表された。副首都の要件案として、▽国内総人口に対する指定都市人口の割合が1・2%以上の指定都市▽国内総生産(GDP)に対する道府県内総生産の割合が2・1%以上の道府県――などが示された。これらの要件を満たすとされるのは北海道、愛知、大阪、福岡の4道府県。
同法の成立について、本学政策科学部の森裕之教授は首都機能の移転が過去にも議論されてきたことを踏まえ「地域の経済を活性化させるという地方創生の流れを汲んだ現政権の地域未来戦略の一環とも捉えられる。しかし、首都直下型地震が発生したときの観点がなく政治(的な意図)が色濃く反映されているのではないか」と指摘した。

森教授は「首都機能の移転については賛成」とした上で、「日本の最大のリスクは首都直下型地震。(副首都は)あくまでも災害の観点から考えるべきだ」と話した。続けて「(同法に)乗じて巨大インフラを整備するのは筋違いだと思う。各ブロックごとにある国の地方支分部局の権限と独立性を強化する方がよいのではないか」と考えを述べた。
同法施行後の11月中を目安に、政府は副首都指定における基本方針の基本的考え方を策定する予定。また策定に併せ、副首都指定に向けたスケジュールも提示するとしている。
(矢野)
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