総長選挙を実のあるものにしなければならない。教学理念「平和と民主主義」や「立命館民主主義」を掲げる立命館において、総長選はその根幹だ。

学校法人立命館が設置する全ての大学・学校を総括し、学園全体の教学の代表でもある総長。今年は4年に1度の総長選が行われる年だ。

他の大学に目を向けると、東京大や京都大の総長選で、学内の民意をないがしろにするような決定が相次いでいる。今年春に行われた京大の総長選では、学内構成員の意向調査で3位だった候補者が選出された。9月にも、東大の総長に意向調査で2位だった候補者が選出されている。大学の自治をないがしろにする選出であり許されない。

これらの事例の背景にあるのは、学外者が選考に関わることを制度化した2004年の国立大学法人化を一つの起点とする、「産官学+軍」連携の強化に伴って行われてきた近年の「大学改革」だ。

「改革」が進められる中で、国や産業界が大学の自治へ介入する仕組みが作られてきた。

基礎研究費が十分でない中で、防衛省の軍事技術にも応用可能な基礎研究を支援する「安全保障技術研究推進制度」への応募を解禁する大学が増えている。戦前のような軍産学複合体が復活しようとしている。

「宇宙地球フロンティア研究科(仮称)」の設置も控える本学にとって決して人ごとではない。

そうした中においてこそ、「全構成員自治」の理念に基づく立命館の総長選の重要性は増すのではないか。外部からの統制が強まる時代だからこそ、自律的な学園運営を支えてきた「立命館民主主義」の真価が問われている。

前回の総長選では3人の候補者のうち2人が「辞退」を表明するなど、十分な議論は行われなかった。

選挙人をはじめとする学園構成員による活発な議論が行われ、選挙人会での投票結果が尊重されることを期待したい。