総長選挙管理委員会は10月29日、2026年度総長選挙に向けた総長候補者討論会を開催した。総長候補者の高山茂さん(理工学部教授)、樋爪誠さん(法学部教授)、松本朗さん(経済学部特任教授)の3人が出席し、学園運営や教育・研究政策などについて見解を述べた。

討論会は午後6時30分から約2時間にわたって行われた。3候補が朱雀キャンパスに集まり、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を通じて有権者に配信された。候補者間の政策討論ではなく、有権者からの質疑応答を中心とした形式で実施された。

討論会では、事前に寄せられた5問と、当日受け付けた質問から抽選で選ばれた5問の計10問が取り上げられた。各候補者には、1問につき3分以内の回答時間が設けられた。

事前質問では、国の理系重視政策への対応、附属校の学費、校友会との連携、昨年度改正された「立命館憲章」、学園の中期計画「R2030チャレンジ・デザイン」などについて問われた。

国の理系重視政策を巡っては、高山さんが理系と人文・社会科学系の連携による学際的な人材育成の重要性を強調。樋爪さんは、文理の垣根を下げた教養教育や学び合いの機会の充実を訴えた。一方、松本さんは、人文・社会科学系の定員削減と理系への重点化が私立総合大学の経営に与える影響について懸念を示した。

また、「R2030チャレンジ・デザイン」の後半期について、高山さんは前半期に築いた基盤を社会的な価値につなげることが重要だとした。樋爪さんは教育と研究の両立に向けて現場の声を丁寧に拾う必要性を指摘し、松本さんはこれまでの施策を検証し、今後の方向性を見直すべきだとの考えを示した。

後半の当日質問では、次世代研究大学を目指す上での産学連携、立命館アジア太平洋大学(APU)の価値、附属校の強み、職員の役割などについて質問が寄せられた。

学生自治に関しては、学友会の各学部自治会と大学側が行う五者懇談会の意義や、学園共創活動への向き合い方が問われた。樋爪さんは五者懇談会を学生の声を直接聞く重要な機会と位置付け、各学部での運営状況を点検する必要性を指摘。高山さんは、懇談会で交わされた意見を大学の政策検討に生かし、その成果を学生と共有することが重要だと述べた。松本さんは、五者懇談会を学生自治の象徴と評価した上で、学生の要望を実現につなげる仕組みの必要性を訴えた。

総長選挙は11月8日に選挙人会で投票が行われ、同月27日の理事会を経て新総長が選出される見通し。討論会の録画は、総長選挙のウェブページで後日公開される予定だ。

(星野)