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第2議題「キャンパス環境の向上と学園想像」

第2議題では、学生生活の質向上について協議がなされた。学友会から提示された論点は主に、食環境改善、空調管理、キャンパス禁煙、わくわくするキャンパス作り、学園の見える化・発信の5つ。

学友会からの提起

学友会・大石菜々子中央事務局長(文4)は見解表明の中で、食環境改善ではアンケートにおいて学生の98%が「食堂が混雑している」と感じていることが判明したことを踏まえ、食堂の混雑状況の現状分析を行い、中長期的な視点での抜本的な解決施策の実施を求めた。また食堂以外にもランチストリートなどが利用しやすいよう、キャッシュレス決済等を導入し、学生が利用しやすい環境の整備することや、各キャンパス特性に応じた食環境課題の改善についても要求した。

学友会
大石菜々子 中央事務局長

空調管理については学生の75%が不満に感じている問題であり、熱中症になる危険性も指摘。講義中の教室における空調設備の利用方法を教員に周知徹底することのほか、教室の規模・学生数に応じた空調管理の実施、対応プロセスの明確化、課外活動施設や廊下などの共用スペースにおける管理を盛り込んだ。この論点についても各キャンパスの差異を踏まえた個別の議論展開・改善を求めた。

今年7月の健康増進法改正に伴い、これまでの「卒煙支援エリア」が「特定屋外喫煙場所」に名称が変わった。併せてこれまで標榜してきた「キャンパス全面禁煙」は「特定屋外喫煙場所を除く敷地内禁煙」となった。これに関して学友会・吉武中央常任委員長補佐(情理4)はこれを実態に即した形であり一定評価するとした一方、依然として40%の学生が受動喫煙被害を訴えていることを指摘し、受動喫煙の防止徹底と喫煙リスクの周知、卒煙支援の徹底を大学に求めた。

また、今年6月に発行された『RS学園通信』で仲谷総長が語った「わくわくする学園の創造」については共に協議をしたいと学友会は賛同の意を表した。他方で、学生からは「新たな環境整備よりも現状のさまざまな課題を改善して欲しい」という意見が多く見られたことを踏まえ、新たな技術の導入によって課題改善を目指すよう求めた。具体的な要求としては、駐輪場・食堂の混雑状況の可視化などキャンパス環境の見える化、授業でのICT利用促進およびBYOD(Bring Your Own Device:自分のデバイスを持ち込んで活用する)の促進、知的好奇心が喚起されるような最先端の研究に触れられる環境の整備が挙げられた。

また、今回の全学協議会に到るまでに実施されてきた各種懇談会や協議のなかで学友会から指摘された課題の多くは、可視化や学生への周知が不足していることに起因していると指摘。本学の学びの特徴や取り組みを発信して「学生の学びの実感」を得るためにも、教学施策・学園財政や本学の学びについて可視化すること、大学が行うさまざまな取り組みを学生に見える形で発信することを求めた。また多方面で活躍する学生が国内外問わずいることにも言及。学生が切磋琢磨しながら成長していくような環境を整備するため、学生の取り組みについても学内外に発信していくことを求めた。

大学側の見解

これに対して伊坂副総長は、学友会が全学的なアンケート調査を行ったことを評価し感謝を表明してから、各論点への見解を示した。

食環境については、大学が取り組むべき緊急の課題であり、学生生活の満足度を向上させるためにも重要であるとの認識を共有。これまでの取り組みとして、衣笠キャンパスの存心館地下食堂の全面リニューアル、学生会館1階「カフェゆんげ」の一部リニューアルなどを挙げた。また、衣笠キャンパスではキッチンカーの誘致、諒友館地下ROSSOのリニューアル、現在改修中の清心館にコンビニ・自販機スペースを設置するなどの改善案を現在検討中であると説明。同様にBKCでは今年12月に閉店が決まったシー・キューブへの民間レストランの誘致を含めた全面リニューアル、食堂・コンビニが入るユニオンスクエアの全面改修、OICに9月オープンした分林記念館の1階への飲食店の誘致などを検証しながら議論を進めていくとした。キャッシュレス化はランチストリートを中心に導入を検討しており、今後各店舗へ働きかけていく努力をすると回答。どちらの課題についても今季から取り組めるものについては、早急に対応していくと述べた。

空調管理については、安心安全な環境づくりには欠かせない要素であるとの見解を表明。これまでの全学協議会における冷暖房導入の経緯に言及したのち、教室だけでなくコモンズスペースの利用も意識した改善が必要であるとの認識を示した。また、近年の気候変動に対応した空調設備の増設などの検討、遮熱フィルムを窓に貼るなどの工夫しており、個別対応が可能な教室には対応を進めているとした。空調設備利用の教員への周知は現在、教授会や学部事務室から行なっているものの、漏れが生じていると分析し、今後は教員向けの利用方法マニュアルを作成、各教室に配置を進める。課外活動施設についても対応時間・窓口など学生への周知徹底を行なっていくとした。

受動喫煙課題については、さらに充実させていく必要があると述べ、全学的に取り組むべき課題であると表明した。受動喫煙防止については、衣笠キャンパスでは洋々館・学生会館北の特定屋外喫煙場所に排煙装置を設置。今後は以学館西の特定屋外喫煙場所に吸煙式灰皿の設置を進めていくとした。BKCについては、まず指定場所以外での喫煙事例について指摘されていることに言及。とくに多発しているコラーニングハウスⅠのドアのパニックオープン化を検討しているという。OICでは受動喫煙の抑制のため、卒園支援エリアをE棟東からE棟北へ特定屋外喫煙場所として移設。秋学期までには現在2つある特定屋外喫煙場所を1つに減らすことを検討していく説明した。喫煙リスク周知及び卒煙支援については、学部自治会やオリター団協力のもと、サブゼミ等を通した健康教育を全キャンパスで進めていきたいとした。学友会の依然として キャンパス内で教職員が喫煙しているとの指摘に対しては、すでに教授会などで周知をしているが、改善が見られない場合は、個別面談等の取り組みを教職員組合と連携して進めていくという。

混雑状況の見える化については調査をした上で、費用対効果をみてから導入可否の判断をしていくとした。

その他の論点は上野副総長より回答がなされた。

ICTの促進については、現在、先進的事例の調査が進められており、教員向けの専門家を招いた学習会を開催している。また、動画でのオンデマンド型の授業も現在検討中であると説明した。BYODはWi-Fi環境など施設整備面でも教学の面でも取り組まねばならない課題であるとした上で、施設整備については授業での活用やキャンパス環境の違いを考慮した上で検討していく。

最先端の研究に触れる機会の整備については、技術が飛躍的に進化していく社会において、社会のあるべき姿を積極的に提案していくべく、さまざまな取り組みを進めているという。これまでの取り組みとして、三菱地所と連携したキャンパス内でのロボット運用など、人とロボットが共生するキャンパス作りや、学生と協力してオープンキャンパスなどでそれらを受験生に紹介した事例をあげた。この流れの中で、学生の知的好奇心に応えて、学びの環境の充実に繋げていくとした。

学園の見える化については、学友会の指摘を重く受け止めるとの見解を表明。その上で、現状「立命館憲章」など学生の知るべきことが知られていないなどの課題を挙げ、今後、学生にとって情報が見やすく、わかりやすいような形での発信を追求し改善していくとした。また、学生の利用がもっとも期待できるSNSの活用についても情報管理の信頼性などを踏まえて、何をどう使っていくのか、学友会の意見を聞きながら検討を進めていくと説明した。これに対し学友会の吉武常任補佐からは、学生が「変わった」と実感を得られるような発信を大学が行っていくこと、従来のSNSアカウントの整備やホームページでの情報の公開方法が見やすいのかどうか再度検証することが求められ、上野副総長も今後協議を進めていくと同意した。

 

また、討議において、松原副総長は「本学では研究部と教学部が組織として分かれている。そのため、研究部での取り組みが学生に届きにくい」との課題を挙げ、どのようにしたら「知の見える化」を進めることができるのか、学生からも意見を聞いていきたいと述べた。川方学生部長は学生の活躍の発信は非常に大きな課題であるとの認識を示した上で、BKCのバス停キャノピーにおいて学生の活動を発信する場を試験的に設けると説明。その際の発信方法として今後、立命館大学新聞社や立命館大学放送局、立命スポーツ編集局といった学内のメディア団体の協力を要請していくとした。

最後に吉武常任補佐から「学生の活動発信の取り組みについては、発信力のある学生団体は多数存在する。大学側とも協力して共に進めていけたら。知の見える化については、研究などの発表の場は多く整備されていると認識している。今後は部署間の横の連携を強化しながら進めてほしい」と見解が表明された。

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