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「京都から新たな才能を」京都文学賞創設へ 朱雀キャンパスでシンポジウム

京都弁で文学の魅力を語る藤野可織氏(写真 右)

 京都を題材とした京都文学賞の創設に向けたシンポジウムが11月25日に本学朱雀キャンパス(京都市中京区)で開催された。前半のトークショーでは「私が作家になるまで、なってから」と題して京都在住の芥川賞作家である藤野可織氏が作家を目指したきっかけなどを語った。京都の魅力を聞かれて「ずっと京都にいて出たことがないので……。有名なお寺やカフェも友人に連れて行ってもらって初めてその魅力に気づくことが多いです」と答え、会場の笑いを誘う一幕もあった。小説を書きたい人に対しては「どのような情報の出し方をすれば効率的に書けるのかをひたすら考えると良いのではないか」と実践的なアドバイスを送り、来場者は熱心にメモを取っていた。

写真左から 校條剛氏、藤野可織氏、望月麻衣氏,大垣守弘氏

休憩を挟んだ後半は元雑誌編集長で京都造形芸術大教授の校條剛氏、大垣書店代表取締役社長の大垣守弘氏、作家の藤野可織氏と望月麻衣氏によるパネルディスカッションが行われた。

ディスカッションでは賞の選考方法について読者投票かプロによる選考のどちらが望ましいのか議論が交わされる場面もあった。校條氏が「京都文学賞の特色としては読者の皆さまが選考の主役」と読者選考員制度の導入を示唆すると、作家の藤野氏が「選考の責任をプロではない読者に負わせるのはいかがなものかと思う」と疑問を呈するところもあった。京都市はシンポジウムで出た意見をふまえて京都文学賞のあり方を考え、31年度からの作品募集を目指すという。(鶴)

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