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学部生が国際和解映画祭2021の企画プレゼンコンテストにて受賞 「出会ってくれた人々に作品で恩返しを」

7月10・11日に行われた「国際和解映画祭2021」の企画プレゼンコンテストにて、新井開都さん(産社2)の作品がノミネートされた。

国際和解映画祭とは

国際和解映画祭とは、未来を担う学生や若者たちによって作られた脚本や映画を通して、国際的な「和解文化の創生」を目指すコンペティションである。今年が初めての開催となった。早稲田大の学生たちが実行委員会を務める本映画祭は、日本だけでなく世界各地からの応募があった。
新井さんの作品『仲直れ』がノミネートされた企画プレゼンコンテストの部門テーマは「和解」。同テーマで映画をつくりたいという応募者がプレゼンテーションを行った。全100作品以上の中で上位5作品に選ばれた本作は、同部門のなかで唯一の学生作品であった。

『仲直れ』は今回の映画祭のために作られたオリジナル作品であり、新井さん自身の小学校時代の経験などから物語ができたそう。新井さんは「和解」というテーマについて「トラブルが起きたとき、和解したかどうかは周りが決めることではない。最終的に当事者同士が納得し、解決にたどり着くことが大切」であると話す。

作品のタイトル

PV制作について

企画プレゼンに伴い、本編のPVも同時に制作された。発案から1〜2週間ほどで制作が終えられた本作だが、舞台である中学校のロケ地探しが特に大変だったという。しかし映像学部や産業社会学部の学生が集う撮影現場は、ストーリーの重さに反して笑顔の絶えないものであり、撮影もスムーズに進められた。
映像監督を務めた美濃良偲さん(映像2)は、主人公の母親が激昂するシーンが特に好きであるとし、1分半のなかに喜怒哀楽を詰め込むために登場人物たちの感情の波をセリフや動作、カメラの動きで表現することにこだわったと現場を振り返る。

受賞について新井さんは「映像に関する賞をもらったのは初めてで、純粋にうれしかった」と述べる一方で「賞の大きさとしては一番小さく、まだまだ実力が足りない」と悔しさをにじませた。また、他のノミネート作品について美濃さんは「国際映画祭ということで、自分の普段の暮らしのなかにある感性とは違うものをもらえたのが刺激的だった。作品としての優劣ではなく表現の幅広さに注目し、まだまだ映像文化は発展させることができると感じた」そう。

作中のワンシーン

映像制作のきっかけ

新井さんは高校の放送部でラジオドラマの脚本を書いていたが、周りからはなかなか認めてもらえず、才能がないという潜在意識のなかで挫折の日々を送っていた。しかし大学でも放送に関わりたいと考え入部した立命館大学放送局での知り合いを通じ、初めて参加した撮影現場が美濃さんの自主制作映画のものだった。それまで審査員や周りの目を意識した作品ばかり書いていたが、美濃さんに言われて書いてみた作品を褒めてもらえたことで、自分の世界観がようやく認められたように感じた、と当時を思い返す。

現在2人は総勢16人から成る映像制作団体「Kalos Polis.」の代表を務めており、それぞれが今後について思いを明かした。新井さんは「各個人が満足してくれるような団体を目指し、卒業後も日本のエンターテイメント業界を引っ張っていけるように続けていきたい」と述べた。また美濃さんは、昨今撮影現場での労働環境が問題視されていることを踏まえ「各々のしたいこと・表現したいことといったクリエイティビティを保障しつつ、心身共に安全に制作を楽しめるような環境作りを実現させたい」と熱く語った。(佐野)

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