「履修に関することを知りたい」、「パソコンの操作で聞きたいことがある」、「不安な気持ちを誰かに相談したい」。このような疑問や悩みが出た際、どこに相談すれば良いのか分からなかった経験がある学生は多いのではないだろうか。大学生活に慣れていない新入生ならなおさらだ。今回は学生が何かしたいとき、何か知りたいとき、悩みや困りごとがあるときに相談対応や支援をしてくれる学内の施設・組織を4ヶ所を取材し紹介する。読者の役に立てば幸いだ。
学びステーション
保健センターは学生・教職員の豊かな学園生活を健康面から支援する施設。定期健康診断をはじめ、健康相談、発熱外来、留学支援や健康診断証明書の発行など多様な支援を行う。
新入生に向けて、保健センターの所長を務める伊東宏さんは「4月1日から新型コロナウイルスの規制が緩和されていく可能性が高いなかで、これまでできなかったことを楽しんでほしい。保健センターでは健康面からサポートを行っていくので、体調不良の際だけでなく、不安や悩みを抱えている場合もぜひ利用してほしい」と語った。
ハラスメント防止委員会
ハラスメント防止委員会は学園内で起こったハラスメント行為への対処や、それを防止するための啓発活動を行う組織。同委員会は学園の教職員から構成されており、専門委員として弁護士が参加している。各キャンパスには相談員が配置されており、ハラスメントを受けたと感じた際には電話やメールなどで同委員会に連絡し、相談対応やアドバイスを受けることができる。またハラスメントの申し立ても行うことができる。必要であれば、学外の機関も紹介している。学生からの相談は、主に授業やゼミ、部活、サークル活動における人間関係のトラブルであるという。
同委員会で事務局長を務める人見充さんは「ハラスメントを受けたと感じた際は、信頼できる人や相談員に相談してほしい。自分自身を責めたり我慢したりしないでほしい」と思いを語った。
キャリアセンター
キャリアセンターは、学生一人ひとりの卒業後に希望する進路を実現できるよう、キャリアの構築を支援する施設。衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス、大阪いばらきキャンパスのほか、大阪梅田キャンパスや東京キャンパスでもキャリア構築に向けた支援を受けられる。
就職活動に向けた業界研究などのセミナーや低回生向けのキャリアワークショップのほか、一人ひとりの進路希望や状況に合わせた個別相談も対面・オンライン・電話で実施されているキャリアセンター。衣笠キャリアセンターの百々遼(ももりょう)さんは、その特徴としてスチューデンツ・ネットワークの存在を挙げ「立命館には大学公認のオンラインOB・OG訪問プラットフォームがあり、先輩への相談やOB・OG訪問のしやすい環境が整っている」と強みを述べる。
百々さんは、学生に向けて「立命館には課外活動や留学プログラムなどいろいろなチャンスがあり、学生の皆さんは何でもできると思う。これを生かしてほしい」と呼びかけた。
SSP
Student Success Program(SSP)は、正課と課外の学生生活全体を通じて学生が学びの主体として自立し、最大限の成長を遂げるための支援プログラムである。レポートの書き方や定期試験対策に関する集団セミナー、小集団の相談会、個別相談などが実施されているSSP。衣笠学生オフィスの西田祐太郎さんは「SSPでは、集団・小集団・個別といった階層別の支援が行われているため、一人ひとりに合った支援が提供できる」とその魅力を挙げる。
また、SSPでは学生ピア・サポーターが活動に参加。オンライン自習室など学生のニーズに合わせたさまざまな企画を開催しているほか、定期的に相談会も実施している。SSPピア・サポーターとして活動していた、卒業生の大橋茜音さんは「ピア・サポーターの活動を通じて、自分自身も成長できた。以前は人に頼ることが苦手だったが、SSPで活動するなかで、周りの人とどう成長するか、周りの人をどう巻き込むか、といった周りと協力する視点を身につけられた」と自身の成長を語る。
さらに、教育・心理・福祉の資格や専門性を有するSSPコーディネーターとの個別相談がオンラインや対面で利用できる。SSPコーディネーターの岸岡奈津子さんは、個別相談に関して「相談内容は多種多様。個々の状況や目標に適した伴走支援をしており、必要に応じて他部署への紹介もしている」と述べる。
最後に大橋さんは「大学生は主体性が求められるが、誰かに頼ることも大切。特に新入生は入学したばかりで多くの不安や期待があると思う。SSPのサポートをぜひ頼ってほしい」と学生に向けてメッセージを送った。