京福電気鉄道株式会社(本社・京都市中京区)は2月28日、約24年ぶりに導入した新型車両「KYOTRAM(きょうとらむ)」(モボ1形)の営業運転を開始した。「ひとにやさしい路面電車」を掲げ、安全・安心・快適性の向上を図る。

1929年導入の「モボ101形」6両と1971年導入の「モボ301形」1両を、順次新型車両に置き換える。2024年度に1両、25年度から28年度にかけて残りの6両を導入する予定だ。
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新型車両の愛称は「京都」と「トラム(路面電車)」を掛け合わせたもの。本学の卒業生で同社管理部の鈴木浩幸部長によると、街と一体の交通機関として「嵐電を通じた京都の発信強化」も目指したネーミングだという。
嵐電のイメージカラー「京紫色」をまとった車体は、丸みを帯びたフォルムを採用し、沿線の街並みに馴染むデザインに仕上げた。正面には大型のLED行先表示器を備え、側面の液晶画面と共に、英語や中国語、韓国語、平仮名にも対応した多言語表記で乗客を案内する。

座席にはくぼみを設けた「バケットシート」を採用し、快適性を向上させた。各端部に優先座席を計8席配置したほか、車いすやベビーカー用にスペースを設けた。
また眺めをより楽しめるよう車窓を大型化したほか、中づり広告や荷物棚を廃止して開放感ある車内にした。「日常的に利用される方に気持ちよく乗っていただけること」(鈴木部長)を主眼にした設計だという。
これからの嵐電について、本学の卒業生で管理部の岡崎広志さんは「地域あっての嵐電だ。沿線の皆さんが安全・安全でご利用いただけるようにしたい。KYOTRAMは未来を見せてくれる新しい風になってほしい」と話している。
本学学生に向けては「嵐電は京都市北西部の主要観光地を結んでいる。路線を巡り、地域のことを知っていただければ」と期待を込めた。
(小林)