公開全学協議会では、今後の学費政策が争点の一つとなる。大学側は過去の4年と同様の物価連動での学費値上げを提起し、学友会・院生協議会連合会は共にそれを容認する構えだ。

値上げの必要性やその上げ幅、学生生活への影響などが十分に議論されているとは到底思えない。「学ぶ権利」を脅かす恐れもある学費値上げを、精緻な議論なしに決定してよいのか。

本学はかつて、他大学と比べ安い学費を目指す「相対的低学費」を掲げ、幅広い学生に門戸を開いていた。しかし、近年は学費の値上げを続け、結果として、本学の学費は「関関同立」で比較しても高い水準となっている。

諸々の調査が示すのは、高い学費が学生生活と家庭に重くのしかかる現実だ。京都私立大学公費助成推進会議が実施した25年度調査によると、納付金の負担が「重い」と回答した家庭は約95%にも上る。そのような状況で学費値上げが続けば、学生生活に大きく影を落とすことになるのは必至だ。

学費値上げの必要性にも大きな疑問がある。物価が高騰し、また私学助成などの公的支援も十分でない中で、学費値上げが必要となる場面もあるだろう。

しかし、25年度の学校法人立命館の決算で、経常収支は約56億円の黒字だ。このような状況の中で学生に負担を強いる必要がどこまであるのか、十分に検討されているだろうか。

日本が1979年に批准した国際人権規約は、高等教育への平等な機会を求め、その手段として漸進的な教育の無償化を明記している。教育の無償化は、国際的な責務だ。学費の値上げは、こうした流れに逆行する愚行だ。

一方で、個々の大学の努力だけでは限界があるのも事実だ。公的助成のさらなる拡大が必要だ。

低い負担、高い質で提供する教育を目指すべきだ。学生の学びの権利を保障しつづけるため、学費値上げに説明を求める。